草分け中

試論や試案のサブサイト。メインは「状態の秘法」合知篇(深く)鼎道篇(広く)等

2020-01-01から1年間の記事一覧

(麒麟がくる) 菊丸はなぜ丹波に詳しいのか? 

今日の大河も分かりやすかったが、一点だけ分かりにくいところがあった。 表題にもある通り、三河者のはずの菊丸がなぜ丹波の地理や内情に詳しいのか? そもそも彼を演じる岡村隆志は春先の深夜ラジオでの舌禍で一旦ほとんどの番組から離れかけ、この大河で…

(麒麟) 身勝手な主に仕える家臣の器?

分かりやすい回だった。 信玄がUターンしたため信長包囲網が形成できず、陰謀の核だった宇治の足利義昭は降伏した。更に信玄死去の情報から織田軍は朝倉浅井攻めに全軍を投入してついに滅ぼした。 もはや京の周囲に敵はなくなり、信長は朝廷に言上して天正に…

「2020年はコロナ元年(マスク元年)」なのか?

当初から集団免疫策をとっていたスウェーデンが今になってその失敗を認めた。政府ではなくスウェーデン国王自らが口火を切り、死者数の多さを詫びた。これからは国中がマスクを着用するようになるのだろう。今もマスクを拒否している国はブラジル一国だけに…

(麒麟) 人生の中間点を迎えた光秀

最後の嗚咽は、今まで信じてきた理想が崩壊したことへの悔しさからか? 長い人生、そんなことはよくある。人は思い通りには動かない。まして愚かな上司は尚さら正道とは逆方向に動く。 光秀の中でそんな展開になってしまう予感は以前からあった。義昭は元僧…

(新仮説)「容易な対象/困難な対象」理論

菅首相の支持率が下がり続けている。主な原因はコロナ対策が政府として不十分なこととされるが、ネット上では「目力がない」「死んだ魚の目」「ドイツからも輝きがないと言われた」等、散々である。 あえて弁護すると、“死んだ魚の目”になるのは、新型コロナ…

「商品/道具」論とMMT

20年以上も上向かない日本経済について、「それは今までの経済学が間違っている(※1)からであり、最近話題のMMT(現代貨幣理論)に則った政策を行わないと(※2)大変なことになる」と警鐘を鳴らしている記事をよく目にする。 中でも若い人たちに人気の中野剛志氏…

(麒麟) 久秀の母が勧めた易はただの占いではない

今回の「焼討ちの代償」内に、16日のブログタイトル「信長と義昭とは水と油」という言葉が入っていた。解釈はほぼ同じだが、私は独自の易理論からそれを導いた。 reigan3941.hatenadiary.com 易といえば、今回の松永久秀が光秀や順慶と会談に臨む前に易を立…

“近代化=合理化”ではなくなった時代

一昔前までは、合理的な判断なら全て良かった。高度成長経済を推進する立役者たちは、戦国時代に鉄砲を駆使して西洋風の甲冑を着こなした織田信長の合理的なところと被らせ、反伝統こそ合理的(※)とばかりイケイケドンドンだった。 ※マックス・ウェーバーも自…

(こもりびと) 弱肉強食の犠牲者たち

「麒麟がくる」の感想を書いてると、同じNHKで気になるタイトルのドラマが放送されていた。 「こもりびと」 引きこもりのことである。全国で100万ともそれ以上とも言われ、私の周囲や親族にも多い。 松山ケンイチ演じる主人公の雅夫は、武田鉄矢演じる元教師…

(麒麟) タブーに切り込んだ叡山攻め

今回の「麒麟がくる」。 小朝演じる延暦寺の座主・覚恕のラスボス感が見事だった。調べると早い段階でキャスティングされていたそうだが、当時の酒や女に溺れた宗教の頂点とはああいうものだろうなと、パッと見で納得させられる。 従来の叡山焼き討ちといえ…

(麒麟) 信長と義昭とは「水と油」。光秀は?

昨夜の「麒麟がくる」。 あの時代の混沌とした状況をわかりやすく描いており、たとえ姉川の合戦で朝倉浅井連合軍を破っても、その隙に四国から三好勢が大坂に上陸し、そこへ本願寺が加わり、東からは再び朝倉と浅井、更に東から武田信玄、そして比叡山と次々…

(麒麟がくる) 戦線拡大成功の鍵は賢者の有無

昨夜の「逃げよ信長」。 帝に拝謁して“天下静謐のための戦”という大義名分を掲げ、諸国の大名を動員して越前の朝倉義景を討とうと入国しかけたものの、義弟の浅井長政が裏切ったため急遽Uターンした話だった。 力をつけた後に拡大をはかって遠方へ軍を進めて…

大統領選挙の結果が見えてきた

アメリカ大統領選挙がバイデン勝利になりそうである。 トランプ支持者は悔しいだろうが、今後4年間は今までの流れとは全く違った政治になることは間違いない。“ドナルド&シンゾー”が仲良くゴルフをしたり相撲を見たりはない。 バイデンの対日政策について特…

(大阪都構想) 単なる“維新の乱”に終わった

昨日の大阪都構想選挙は僅差で決着がついて良かったと思う。 大阪に住む人々による多くの生の声の通り、府政や市政が維新の会に変わって職員の接し方や公衆トイレなど大阪が良くなったことは明らかだが、もし都構想が決まっても4区に統廃合を進める過程で様…

(麒麟がくる) 腐敗を正そうとする光秀

昨晩の大河「麒麟がくる」。 晴れて室町幕府の新奉行となった明智十兵衛光秀だが、幕府内の土地の横領や寺社からの賄賂など、内部のあまりの腐敗ぶりに腹を立てて、親友の細川藤孝に愚痴るだけで収まらず、まずは織田信長の所に行って何とかできないか話をし…

戦術を活用すること

ビジネスでも何でも、見事な勝利劇の裏にはたいてい戦術がある。その戦術は古来から重要視されている本当の合戦や戦争でのいわゆる兵法と相通じている。つまり兵法を学ぶことは現代でも意義がある。 よく聞く話ではソフトバンク会長の孫正義氏がご先祖の孫子…

感情優先のフィードバック制御

制御を扱うサイバネティックスは、例として温度を一定に保つエアコンや速度を一定に保つ調速機などを挙げるので、人間の場合も恒常性(ホメオスタシス)をはじめ、主に物質的に安定させることが多いと思っていた。 ただし、我々がそんな制御を行おうとするきっ…

AI関係者へ送る哲学的スライド

以前はスライドを読んでもらいたい時にこのブログのURLを貼り付けていたが、最近スライドシェアのURLだけを貼り付けることを漸く知って、先ずは国内では超有名な哲学者のOさんに送ってみたところ、「素晴らしい大者のスライドですね」と返信がきた。やはり分…

循環型経済へ送る新アイデア

サーキュラーエコノミー(循環型経済)といえば、次世代の経済モデルと言われて久しく、海外でも動きが広がっているが、足りないものがある。それをこのスライドにまとめた。 元ネタはメインサイト「状態の7段階モデル」内の産業循環理論だが、今回はサイバネ…

初披露「新衣食住の見方と魏徴」

菅総理が就任会見で語った自助という言葉を、悪名高い新自由主義ではなく、古代中国の名政治家、唐の魏徴に私の新衣食住で絡めて、現代に「貞観の治」を再現しようとの意図でスライドを作成してみた。 New Wear Eat Live and Gityou from reigan_s このスラ…

(麒麟がくる) 現代もいる「~の器にあらず」

先日の大河ドラマ「麒麟がくる」では、明智光秀について旧来の"親足利義昭"ではなく、斬新な"親足利義輝"という見方を披露した。 剣豪塚原卜伝から教わった剣技で大勢の敵兵をたった1人で斬りまくった義輝の最期のシーンを、なぜ前回「義輝最後の夏」のエン…

ものの見方を再編集してみる

ここのところ、コロナでガタガタになった社会の再建のただ中で、唐の時代に活躍した魏徴(ぎちょう)による人の見方が引っ掛かっている。 ①「まず一定の地位にある者は、その者の人材登用・抜擢の仕方でその人を見る」 ②「富んでいる者はその財の用い方、人へ…

異常な状態に陥った時点で負け

状態の研究を始めて30年になる。社会学者のパーソンズも晩年に取り組んだらしいと読んだことがあるが、状態という切り口は結構奥が深くて面白い。 例えば比較的新しい言い方の「マウントをとる」状態も、韓国が日本に対して、中国が欧米に対してマウントをと…

菅総理で何かが変わるか?

菅政権が誕生した。菅総理には就任早々、話題になった言葉がある。手に「自助 共助 公助」と書かれたフリップを持ち、 「まず自分でできることはまず自分でやる。自分でできなくなったらまずは家族とか地域で支えてもらう。そしてそれでもダメであればそれは…

ホルストの実験を視覚の話以外にも広げてみる。

脳科学が盛んな昨今だが、私は脳だけに焦点を絞る見方には疑問がある。身体の各器官から脳までの関係や、器官の周囲にある環境も含む全体を見ている。 その見方を支える根拠の1つが、フォン・ホルストという科学者のハエと筒を使った実験である。実はホルス…

そうとしか思えない生命誕生の謎

知識は人それぞれで違うが、今までの雑多な読書と自由な思考から、世界の始まりや生命の誕生を自分なりに解き明かして発表する自由はあってもいいと思う。 科学は専門分化する一方で他と合わせたり、まして文系諸学との総合なんてあり得ないだろう。しかし科…

メタ哲創世記のスライド(日本神話追加)

作成中の巨編スライド、「メタ哲学者の創世記」に日本神話を追加した。前回は聖書や科学、中国神話などがメインだったが、日本神話もけっこう侮(あなど)れない。知れば知るほど奥深さに驚愕する。尚、五柱の別天津神(ことあまつかみ)の次は神代七代、聖書で…

帝国は急拡大して割れてゆくもの

歴史上、帝国と呼ばれるものとして、アレクサンダー帝国、チンギスハンのモンゴル帝国、ヒトラーの第三帝国などがある。ここでローマ帝国は除き、昭和天皇の大日本帝国を入れると共通点が浮かび上がる。 そのどれもが、急拡大して短期間で栄華は終わり、分割…

なぜタカミムスビは知恵の神の親なのか?

今回は、天地開闢(かいびゃく)の時に現れた造化三神のうちの2番目、高御産巣日神(タカミムスビノカミ)について書く。ウィキペディアにはこうある。 >『古事記』によれば、天地開闢の時、最初に天之御中主神(あめのみなかぬし)が現れ、その次に神産巣日神…

アメノミナカヌシは確かに意義があった

> 天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)は、『古事記』では天地開闢の時に最初に現れた神であるとされている。 天地初發之時 於高天原成神名 天之御中主神 次高産巣日神 次神産巣日神 此三柱神者 並獨神成坐而隠身也 天之御中主神の後に高御産巣日神(たか…