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(新仮説)「容易な対象/困難な対象」理論

 菅首相の支持率が下がり続けている。主な原因はコロナ対策が政府として不十分なこととされるが、ネット上では「目力がない」「死んだ魚の目」「ドイツからも輝きがないと言われた」等、散々である。

 

 あえて弁護すると、“死んだ魚の目”になるのは、新型コロナや経済の復活という非常に難しい問題に国家の首相として真正面から取り組むからであって、もし逃げたり避けたりしていればこんな顔にはならない。たくさんの情報が集まってその難しさが官房長官時代からよく分かっているからだと。我々もこんな目になった経験が一度か二度はあったのではないだろうか? 一生懸命生きていれば…。

 

 と、どこかに書き込もうかと思っていたらいきなり「ガースーです」という挨拶がきて、完全に不支持が支持を上回った。ネット上には「何をニタニタしている!」「ふざけるな!」と怒りの声が殺到した。専門家は世論の空気を読み間違えたと指摘している。人々は何を求めているのか? 根拠のないハッタリではないと思う。知恵を集めた実効性ある政策と分かりやすく安心感を与える説明であり、外国の評判が高い大統領や首相は誰もがそれができている。

 

 やはり菅首相は不適任だったのか? 首相の周辺も含めていったい何が足りないのか? それらを本ブログ(及びメインサイト)なりの視点で考えていたところ、あるキーワードが浮かんだ。

 

 「容易な対象と困難な対象」である。容易な対象とは比較的容易と言われるように多くの人ができる、こちらの言い方でいえば“過程を進ませやすい”対象である。コップで水を飲む、本を読む等。逆に困難な対象の方は過程を進ませにくく、例えば大震災からの復興やブラック企業の従業員など。

 

 ここで言う過程とは、“何々ができる〇段階”や“何々が完成する〇段階”というように紹介されるプロセス理論で、昔から様々な人が自分なりに公開しているが、私は約30年前に多くの説をつなげてみたことがある(※1)。

 

 すると、より大きな過程と各段階同士の関係が明らかになる表ができあがった(※2)。納得のいくものになるまで約1年かかり、過程説の他に心理学やサイバネティックス、哲学なども加わり、用語の選択には類語辞典を使用した。

 

 そして、14個の状態と7つの心機能、及びその関係にアルファベット26文字を使い、状態内部の要素にギリシャ文字24文字を使用した(※3)。詳細は主サイト記載済みだが、ここでは下記3つのスライドのみで、上記の新仮説を述べていきたい。

 

 まず、物理的な対象κ(カッパ)を前に、容易な場合は誰しも過程を進ませられるので、κ(Xi~Xi)と書き、連用形iが意識の赴くまま続く。逆に困難な対象は、例えばκ(XuCa)と書けば、まさに大震災直後の現場で茫然自失となっており、いちおう生きてはいるので終止形uと、何もできないでいる未然形aを使う。他にκ(FuJa)と書けば、何かしないととは思いつつも適切な方法が分からないままでいる時である。

 

 新型コロナ罹災時の国家運営という対象も同じだが、では何をすべきかといえば、過去に過程を進ませることができた前例を参考にすることがまず1つ。旧来の側近や参謀ではなく、新たに人材を活用する。昔でいえば旗本の息子の若い勝海舟を米国留学させて幕府要人に出世させたり、現代でも台湾で天才オードリー・タンを抜擢したり等。そうすれば、jaはjuとなり、過程後半のLiへと進められるだろう。

 

 もう1つすべきことはビジュアル面である。その対象はκと区別してτ(タウ)を用いる。容易な場合は官僚がつくった当たり障りのない文章を棒読みするτ(Ji)だが、自分の言葉で話してなく良い印象を与えられないのでこれは困難な部類に入るだろう。τ(CuFa)と書いて見るだけに留まる終止形uと意識的には未然形aを使う。

 

 コロナも恐ろしいが、第二次大戦時は狂気のヒトラー総統以下ヘンテコな格好と仕草をするナチスドイツがヨーロッパを荒らしまくりもっと怖かった。そんな中、イギリスへの上陸を阻止するとともに国民へは後に有名になった“Vサイン”やウィットに富んだユーモアで元気づけたチャーチル首相こそ、菅首相が参考にすべき先例だろう。

 

※1

1.各プロセス説の総合 from reigan_s

 

※2

 
※3