ここのところ、コロナでガタガタになった社会の再建のただ中で、唐の時代に活躍した魏徴(ぎちょう)による人の見方が引っ掛かっている。
①「まず一定の地位にある者は、その者の人材登用・抜擢の仕方でその人を見る」
②「富んでいる者はその財の用い方、人への与え方でその人を見る」
③「余暇では何を好んで行うかを見る」
④「学んでいればその言う意見を見る」
⑤「困窮しているならそうなっても何を受けないかを見る」
⑥「卑賎の人ならその人が何をしないかを見る」
⑦それらをよく見た上で、その能力をよく調べて任用し、その短所をかばい、その長所を用いる。(中略)厳格にしなくとも各自は自分で励み、尻を叩かなくとも自分で努力するようになると。
ここで、本ブログの基準の1つである「衣食住」に照らし合わせれば、衣は③と④、食は②と⑤、住は①と⑥になるので並べかえてみる。
衣(哲学的)
③「余暇では何を好んで行うかを見る」
④「学んでいればその言う意見を見る」
食(経済学的)
②「富んでいる者はその財の用い方、人への与え方でその人を見る」
⑤「困窮しているならそうなっても何を受けないかを見る」
住(社会学的)
①「一定の地位にある者は、その者の人材登用・抜擢の仕方でその人を見る」
⑥「卑賎の人ならその人が何をしないかを見る」
次に、それぞれ逆を考えてみる。
A:③は④とは逆に余裕があって特に学ぶ日々ではない人であり、何を好んで行うか、例えば旅行やボランティアなどか、あるいはパチンコや競馬などか。
B:④は学んでいる途上なので普通は発言が未熟なものだが、それでも注意して聞くことにより、習熟度が分かる。
C:②はいわゆる金持ちで、その財を資金に用いたり、施しに与えたりするか、あるいは贅沢三昧や施しをしないかで、イメージが真逆になる。
D:⑤は貧乏な人で、そうなると泥棒や詐欺などに走るか、あるいは悪事ではなく倹約し、床に投げ捨てられたモノに飛び付いたりしないか。
E:①の役職者は周りの部下が巧言令色なお世辞ばかりの人か、あるいは優れた人物が揃っているか。
F:⑥は社会の底辺に当たるが、そうなっても悪事に走らず、愚痴らず、やるべきことをやるか。
⑦は理想的な社会像だが、もし、⑥がどこかの国みたいな犯罪だらけだったり、①がどこかの会社みたいにブラック上司ばかりだったり、⑤がどこかの地域みたいに悪臭を放つゴミだらけだったり、②がどこかの成金みたいに宝飾品で虚勢を張ったり、④がどこかの評論家のように空理空論を喋ったり、③がどこかの放蕩な人のようだったら、最悪最低な社会になっているだろう。
近日中に上記の内容と下記のスライドを合わせたものを公開予定。