今日のニュースで、漫画家つげ義春が芸術院会員に選出されたことを知った。
つげ義春さん「自分なんかでよいのだろうか」 芸術院会員選出に驚き(朝日新聞デジタル) #Yahooニュース https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/886ef7523a7a081853cc5cd99bb0094b0a233a7e&preview=auto
筆者がその名前を知ったのは、本ブログに時々出て来る「ハード&ルーズ」最終7巻の最後に主人公土岐へのインタビュー形式のやりとりが数ページあり、その中に
「尊敬する漫画家は?」
「つげ義春だ」
というやり取りがあったからで、何冊か読んでみたがどこがどう凄いのかチンプンカンプンだった。
しかし、「ハード&ルーズ」で人気漫画家となった原作者の狩撫麻礼とかわぐちかいじ(その後「沈黙の艦隊」も大ヒット)の2人が特にリスペクトして名前を挙げるだけあって、独特で孤高のテイストは確かに濃厚だった。
似たような話では、アニメ監督の宮崎駿や庵野秀明などの大御所たちが一様に尊敬する漫画家として挙げる諸星大二郎がある。例えば人気作品「エヴァンゲリオン」や「ナウシカ」の巨神兵は諸星のアイデアが元ネタとなっていることは有名である。
諸星漫画も多数所持しており、京都漫画ミュージアムで全作品読んだので今後もし機会があれば取り上げる予定である。
それはさておき、18世紀イギリスの哲学者ヒュームと19世紀アメリカの哲学者パース、この2人が「類似・近接・因果」の連合に着目した共通点は先日の記事に挙げたが、
実はどちらも似たような人生を送っている。(世界の名著より)
ヒュームより12歳下の人気経済学者、アダム・スミスや、パースの後輩ジェイムズを宮崎駿やかわぐちかいじ達に見立てると、つげ義春や諸星大二郎の位置付けと確かに合う。
大学の椅子はついに得られなかったが、後世への影響力はヒューム(アインシュタインやカント、ハイエクなど広域に渡る)やパース(記号学は今もバイブル視されている)の方が遥かに大きい。その力を認めているからこそスミスもジェイムズもリスペクトを公言したと思う。
パースの続き
次の手紙の部分が面白い!
アメリカ人は全て陽気なヤンキーばかりではない。こんな4、5ヶ月も喋らない変わり者もいるし、それでも彼が唱えたプラグマティズムがアメリカを代表する哲学と言われるようになった。