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歴史から賢愚を学び、現代政治の賢愚を思う

  なぜ歴史を学ぶのか? 歴史には多くの英雄がいて面白いが、その前に英雄とは真反対の愚かな権力者がいる。

 

  愚かな権力者は、非常に自己中心的で、自分に反対する人を処刑したり、自分の保身のために国を売ろうとしたり、周りが苦しんでいても全然意に介さないでいたりする。これらの愚かな権力者たちが何故いたのか?

 

  世襲で権力の座に就いたり、最初は良くても次第に悪くなったり、お世辞がうまい佞臣を近づけ諫言が厳しい良臣を遠ざけたり、といろいろある。やがて国全体が弱体化して滅んだり滅ぼされたりする例は多い。

 

  人は本来、賢さを尊ぶ。愚かだと怪我や火傷をしたりするし、目的が達せられない。しかし、他人が賢く幸福だと自分は面白くないし、まして高位にあると疎ましく思う。だから低位にある者に不当な方法や生き方を強制する。その強制する側に近い人々も愚かな状況を肯定して誰も反対しない。

 

  最近、新型コロナで苦労を強いられている国民のために政府が一律1万2千円を支給する案が浮上して、それを知った国民から主にネット上で多数の呆れる声が殺到した。金銭感覚が絶対にまともじゃないと。諸外国の対策も今やネットで簡単に参照し比較できる時代に、何故こんなにも国民から叩かれる政策が表に出て来て誰も止めなかったのだろうかと、素朴な疑問が浮かぶ。

 

  今後も彼らボンボンの政治家が何か発言する度に大恥をかく事態が続くのだろう。では叩く側から何か新しい動きは出ないのだろうか。

 

  歴史では英雄が出てくる前に多数の残念な犠牲者が出てくる。太田道灌しかり、安政の大獄しかり。それが怖くて匿名の掲示板やブログを撰ぶ。ただそうしている間にも、新型コロナや台風、地震など平時とは違う出来事が起こると特に、権力者の賢愚は明らかになる。

 

  日本はまだ、国民の半数以上が愚かな国とは言えず、愚かな権力者に操られたりはあまりない。今求められているのは温室育ちの賢さではなく、厳しい環境を生き延びる知恵と賢さである。