草分け中

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"各"を最後につけてみる説

  形や物など対象の側と、思念や波動など精神のような側と、2つに分ける話はよくある。ではこの2つの組み合わせについての話はあるか?

 

  例えば、芸道で「~流」という場合、生け花や刀などの対象に意味や方法などの精神が組み合わされ、特有の、固有の何かになる。

 

  それでは対象と精神との固有の組み合わせを表現する言葉はないか?  いや、その前に必要がないから今まで言葉がなかったのだろうと誰でも思うが、今までがそうであっても、これからは違う。

 

  いろいろ見直さなければならないことが数多いのに何も変わらない現状、変わらないどころか悪い方法を強いられる現状、良い方法があっても妨害があって根付かない現状。これらの現状を直視すれば、改革という言葉では不十分で解決には程遠い。

 

  改革とは、大元は変えず小手先を技術的に変えるだけで、あちらを立てればこちらが立てずの繰り返しになる。直近の問題は体裁的に解決できてもまた別の問題を生じる。では革命が良いのか?

 

  革命とは後から振り返って分かることが多く、目指すだけの革命はただの破壊と同じである。ビジョンもなく壊してばかりでも良くない。壊した後の創造、これが大事である。

 

  創造に必要なものは、先ず何よりも良心と現場感覚、そして知恵と教養である。これらのないビジョンは悪い支配や占領となる。

 

  以上の話の重要性に気付く人を現状では見たことがない。賢そうな屁理屈を並べてマウントをとろうとする人しかいない。もし本当に世の中が良くなっていくのなら、一昔前の、つまり現在横行している屁理屈の時代を恥ずかしく振り返ることになるだろう。

 

  話を戻すが、「この対象にはこの意味」「あの対象にはあの方法」といった、対象と精神との固有の組み合わせを表現する言葉は探せば見つかり、それは"各"だとわかった。

 

  「各家」「各議員」というように冒頭につけるものだが、各をつけることで各々の家や議員がクローズアップされる。各という字自体、精神と対象との組み合わせになっている漢字であり、各机といえば個々の形だけの机に人による精神性が加わる。

 

  そこで、今までにない言い方だが「この机の各」と呼ぶようにすると、固有性や属性が強く浮かび上がってくる。「この家の各」、「この議員の各」。見えなかった固有性や属性を白日のもとにさらし、「良各」と「悪各」を「比各」したり、「最上各」や「適各」を求めたりすることもできる。

 

  新型コロナ問題の各対策と言えば、個々の対策は何かとなり、新型コロナ問題へのある対策の各と言えば、意図や背景など裏に封印していたものまで見えてくる。

 

  各◯◯という、一見個々に着目したようでそうでもない言い方を変え、本当に個々に着目した◯◯各という見方や考え方で、誤魔化しのない本当の創造性を迎えるようになればと思う。