前回紹介した漫画「ハード&ルーズ」をまたスマホで読もうとしたが、今度は無料ではなくなった。有料で読むべき価値があるか? なぜ自分は手放したのか、振り返ってみた。
「吾輩は猫である」と設定が似てなくもない。
とある家に飼われることになった野良猫の自由で低位置な視点から明治の世相や家庭内を語る手法がウケた小説だが、この漫画は野良私立探偵とも言うべき無所属、言い換えればフリーな視点で1980年代から1990年代にかけての日本を語っている。
明治中期から晩期にかけての変わり目、かたや昭和から平成への変わり目。
例えばこんな切り口。
あながち間違ってはいない。令和になった現代にも通じている。だから部分的には参考になる本だと思う。
しかし、家猫より野良猫の方に真の自由があり、感動が多いという主張には若干引く。
この作者だって出版社との関係を断ち切るほど真に自由な野良猫ではなく、様々な契約を守る飼い猫に近い。なのに読者に野良猫を勧めたり憧れさせるのはおかしい。
ちなみに“うさぎ飛び”はヒザに悪いため現代ではほぼなくなっている。