菅総理の不人気ぶりが凄まじい。
秋の衆院選に向けてツーショットのポスターを撮りたい議員は皆無で、このままでは再び自民党が下野すると本気で恐れられている。確かに、ヤフコメを見ても反菅一色で塗りたくられており、擁護するコメントを最近は見たことがない。
では何故、菅総理はこんなに嫌われているのか? 反対の声を押し切って強行した東京五輪は世界から高評価を受けているのに。
先ず、菅総理はマキャベリを信奉していることから始めたい。マキャベリの何を座右の銘としているかは不明だが、筆者が推測するに恐らく「君主は愛されるより恐れられた方がよい」の有名なくだりだと思う。
秋田の田舎出身で東京板橋のダンボール工場で働いていた青年が神奈川で議員秘書を経て今や総理となって生態系ピラミッドの頂点に立った。言わば弱肉強食社会の勝者に現時点ではなった。
その“驕り高ぶり”がマキャベリ礼賛となって、かの「自助、共助、公助」につながった。弱者への公助は全く念頭になく、「先ずは自助」「自助が駄目なら親親戚からの共助」「共助で駄目なら」・・・「生活保護がある」という“だけの”公助。
当然、コロナ禍で苦しんでいる飲食業界を始め、医療界、学術会議の件では無回答で軽んじられた学界、更にコロナ無策で修学旅行を犠牲にされた家庭や若者など、多くの人々が菅総理を憎んだ。
その結果の1つが先の横浜市長選で、お膝元であるにも関わらず菅総理が支援した候補が敗れた。今度の衆院選で初の現職総理の落選もあり得ると言われているが、比例で復活当選されるため審判は下しにくい。ここにも小沢イズムの悪しき部分が残っている。
いや、小沢イズムより菅イズムの話だった。総理大臣となって競争社会の勝者にいる間はマキャベリだの弱肉強食だの言ってられるが、だったら競争上等、今度の衆院選では絶対に菅自民を敗者にさせて惨めな気持ちにしてやる、と思う国民が結構いる。
それだけ菅総理は憎まれている。本人をはじめ周囲や議員の多くはそこまで気づかないみたいだが、菅個人と言うよりその考え方、言わばスガイズムを何とかせねばとなっている。
他の時代はともかく、現代の敗者たちは決して努力不足でそうなった訳ではない。本人は頑張っていても、どうしようもない様々な事情で、例えばコロナ、国際的にも異例な低物価や高税率、等々の犠牲者であることをしっかり理解すれば、やるべきことはスガイズムのような突き放しでないことは明確である。
次の総理は高市がいいという意見もあるが、安倍や麻生など庶民感覚が欠如した人物がいる限り全く期待できない。30年以上千円から上がらないバイトやパートの時給、それでも上がり続ける国保の税率など、おかしな矛盾に気付く人に舵取りをしてもらいたい。