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“エセマキャベリズム”では成果が出ない

 高い成果を出す所を見てその要因を考えることはとても重要である。

 

 例えばある人の話だが、それは現実主義(マキャベリズム)を徹底しているから高い成果を出したのではないか?と考え、自分もそうしようとする。

 

 しかし、その発言は情感のこもっていない冷たい失礼なものが多く、大勢の人の神経を逆撫でする。利益分配の格差が酷く、下の者には雀の涙程度しか与えない。賞罰も不公平で贔屓や賄賂、お世辞によってころころ変わる。

 

 衣食住(状態の秘法・鼎道篇)によって3例挙げたが、そんな職場が多いのではないだろうか? 現実主義を標榜したつもりが、ただの利己的とみなされて活気を失い、成果は出ず、退職や離職が増え、大失敗を招くことになる。

 

 他ならぬ菅義偉総理自身、言動が冷たいと批判され、コロナ手当の10万円支給すら行わず、適任でない加藤官房長官や丸川五輪相などを使い続けていた。

 

 菅総理の座右の書はマキャベリらしいが、どうも履き違えた解釈をしていると思われ、これをエセマキャベリズムと名付けたい。

 

 就任当初から「まずは自助、次に共助で、公助は最後」「学術会議の件は無視」「竹中平蔵がブレーン」「最後は生活保護がある」と、格差拡大の新自由主義的なことばかりだったが、結局ボロボロになって退任となった。もう通用しない古い考え方だったのである。

 

 ではどうするべきなのか? 東京五輪の柔道で日本勢が多くのメダルを獲得したのは、科学的手法に終始したからだという。昔の精神論一辺倒ではなく、相手選手がどこの襟を掴むか、何に弱いか徹底して分析して高い成果につながったという。これこそが真の現実主義である。

 

 つまり、菅総理も科学的客観的に振る舞い、コロナでは政治的思惑や利権を抜きに専門家の提言に基づき、日本学術会議問題も真摯に対応して知を尊ぶ姿勢を見せる。

 

 経済的には困窮を極めている経済全体にカネを回すためにも渋らず大盤振る舞いを行って盛り上げ、狡賢く中抜きしている竹中平蔵を外す。加藤や丸川、西村も交代させて、高市や岸田などを適材適所で使う。もちろん二階や森などの老害も外す。

 

 これらは誰もが普通に内心思っている良策ばかりなのだが、菅総理のエセマキャベリズムによってどれも実現しなかった。

 

 要するに、イデオロギーや大系の形で新自由主義を超えるものを迎えないとならず、個々の良策をつなぐ新大系を掲げることによって、真の現場的に解決する各良策が開花することになるのである。

 

 それがメインサイト「状態の秘法」開陳の動機の1つである。


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