安倍総理のブレーンには各界の権威や右系の長老などがいると思われるが、保育所不足のような分野になると専門外になってしまうのか、初動ミスが目立っていた。国会前に詰め掛けた主婦の中には共産党勢力も混じっていて余計に左に見えたのかもしれないが、右や左という問題ではそもそもない。
ところで、吉田茂から大平正芳まで、「歴代宰相の指南役」と呼ばれた安岡正篤の著書に「易と人生哲学」という本がある。この本は易を占いの面から捉えてなく、専ら人間学の側面から書かれてあり、特に圧巻なのは、八卦をさらに六十四卦まで広げて、1つ1つ考えていることだ。例えば分かりやすい例を挙げると、「天火同人」という卦は、上に天という理想を掲げて火のように活動することで、同人誌の同人はその様子からきていると。
では読者は六十四卦の全てを覚えなければならないか?というと、科学的でもない東洋の屁理屈をそこまで覚えこまなくとも、エッセンスをよく理解できればいいと思う。すると、八卦とは同じく人間学を広域に論じたタイバネティックスと共通するものがあるのではないか、と考え、改めて見直すと全て合致することがわかった次第である。
中曽根総理以降、東洋的精神のブレーンはいなくなったのではないか? 思想的にはシカゴ学派が目立つ。竹中平蔵もシカゴ大学に行っていた。陰陽編の後に書く予定だが、シカゴ学派ももう限界に来ている。そして現在のトランプ旋風に到っている。