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(鎌倉殿の13人) トップ急逝後の右往左往は現代とダブる

 非常に面白い回だったので久々に書きたくなった。

 

 筆者はこの大河に初回から余りに辛口だったため、ヤフコメでも袋叩きにあったことは前に書いた(それでTwitterに逃れて同好の士を得たのは収穫だが)。

 

  ・義経の(史実無視な)サゲ演出

  ・曖昧な幕府設立経緯

  ・善児ばかりが何人も暗殺

 

  等々

 

 最近は当ブログでも記事を書くのをやめたほどだ。

 

 先ず、今回の冒頭だが、急なトップの死といえば最近の安倍元総理の死とどうしても重なって見えてしまった。

 

 頼朝や安倍元総理のように急にトップがいなくなると、今までの側近や重臣たちはどうしてもオロオロしてしまう。現代でも岸田首相はカメラの前で涙ぐんで冷静さを失い、菅前総理は予定を全て取り消して奈良へ行き、竹中平蔵は犯人への怒りを込めた記事を書き(たぶん本当に怒っている。悪い意味で)、皆どうしていいか分からなくなっているようだ。

 

 当時の鎌倉幕府も、故頼朝の息子頼家を征夷大将軍に就けるところまではすぐに出来たが、いざ訴訟に当たるとなると若い頼家には荷が重すぎることが改めて分かり、軌道修正せざるを得なくなる。

 

 そこで既存の4名の文官に梶原景時を加えた5名による新機関を設けようとするが、北条と比企の間で勢力争いが起きて双方1名ずつ増えていき、結局13人になってしまう。「鎌倉殿の13人」の誕生である。

 

 しかしコトはそこで収まらず、お飾りに過ぎなくなったと感じた頼家は対抗策として同世代の若者たちを集めて政治を行おうとする。

 

 実はこの流れは現代でもあったりする。例えば企業の分社化や新支店の拡大に伴い古い支店に新しい支店長が就任した場合、古くからいるベテランたちへの対抗策として自分も周囲に若手を集めようとする。中小企業なら面接で集めてすぐに優遇し、ベテランたちを冷遇する。

 

 こんなことをすれば、ベテランが去るか反乱を起こすに決まっている。そして頼りになると勝手に思い込んでいた近くの若手たちがイザというとき実は全然味方にならないので、この拠点長は短命で終わったりする。下請け企業ならあっさり切られたりする。

 

 鎌倉幕府も同様で、史実の通り頼家は短命で終わることになる。しかし中小企業は倒産して済んでも、幕府は崩壊する訳にはいかない。主人公の義時はあの手この手を使って幕府存続に努め、その結果、同僚のご家人と次々衝突し、更には実父とも衝突し、最後には京都とも衝突する。

 

 どう義時が最終勝利者となるかは見てのお楽しみだが、できれば善児のような架空の暗殺者はもう登場させないでほしい。和田や比企や梶原、畠山の乱などは全て当人同士のガチンコ勝負で描いてほしい。

 

 ここだけの話、善児が出てくるとシラけるのだ。悪人を1人に絞ってしまう手法も分からないではないが、目立ち過ぎると安直に映る。そんなことを書くとヤフコメに叩かれる通り、多くの人は善児を面白がって見ていた。

 

 それは現実には絶対にあり得ないキャラと思い込んでいるからだろう。

 

 しかし、実際に安倍元総理が殺害された通り、現実にあり得る。今更ながらもう見たくないと思う人が多いだろう。

 

 そんな世相を反映して少しは露出が減るだろうか? いや、善児が育てた女性暗殺者のトゥが出るとか公式HPにある。

 

  近々、梶原景時の乱と呼ばれる失脚劇が起こるはずだが、そのあと彼の下にいた善児はどうなるのだろうか?

 

  一緒に退場してほしいが、たぶん義時の下につくのだろう。その伏線として東北行きに同行した。

 

  兄殺害の下手人との2人旅なんてそれだけで脚本が破綻しているし、主人公が能天気に見える。

 

  だから何が言いたい大河なの?と書くからヤフコメに「あなたは視てはならない人だ」と書かれたりする。

 

  一ノ谷の合戦を視た後、わざわざ大河で字幕のあった「鉢伏山」までどんな場所かとすぐに足を運ぶほど熱心な、いや奇特な視聴者なのだが。