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新しい用語を使って循環型経済を進める案

  新型コロナの「変異種」という言葉の使用が、医師界からの“全く意味が異なる!”との強い指摘で最近一斉にマスコミもヤフーも「変異株」に変わった。

 

  変異種はイコール新種でもあるのだが、今回の新型コロナの場合は新種が出現した訳ではなく、単に遺伝子の一部が変わっただけなので変異株が正しい。今までもその指摘は散見されたが、どうしても煽りたいマスコミの幹部が意図的に「英国で変異種」と表記させていたようだ。

 

  さて、これと同じく言葉の表記と使用で現実に合わないから変えれば良い例を提案したい。それは「生産」と「消費」である。工業や農業、商業のどの事業者も消費を伴わない生産はあり得ず、皆が道具や土地などを買っては何かをつくっている。

 

  従来の経済学が、それは近代経済学だけでなくマルクス経済学も含めて生産者と消費者のように生産と消費を対立させる固定的な考え方をし過ぎている。消費をしない生産者? 生産をしない消費者? どこにもいやしない。

 

  ではどう変えたら良いか? 実際に誰もが消費を伴う生産を行っているのだから、それらを円環状につなげれば循環型経済になる。

 

  循環型経済の逆は直線型経済で、資源の乱掘から廃棄による環境破壊まで一直線に進めている。それが将来的にも良くないことは誰もが分かる話だが、どうしようもないだろうと世界中が何もしない。

 

  先ずは資源や環境を守るために循環型経済が可能であり取り組むことを前提にしよう。その上で、各事業者や各個人の誰もが「消費を伴う生産者」である現実を踏まえて、新しい言葉を用意してみた。

 

  生産ではなく「送填(そうてん)」、消費ではなく「受填(じゅてん)」。例えば“工具を受填して作品を送填する”、“作品を受填してパンフレットとして送填する”のように使う。

 

  受填した人は対価の金銭を送填する。これで送受填が成り立つ。

 

  知的サービスも同様に、“インストラクターから技術を受填してコンテストに送填した”、“コンテストを受填して報道が送填した”、“報道を受填した大学研究者が分析を送填した”、“分析を受填したインストラクターが教育を改めて送填した”とすると循環する。これを「回填」という。

 

  限りある資源や土地も回填させることで、直線型経済に顕著だった無駄は大幅になくなる。

 

  また国や社内の法律やルールも今までは増える一方で煩雑化し、決まりを守らされる人としては、あるルールを守ると別のルールを破ることに直面して、選択によってはルール違犯となったりしたものだった。これも「回填」を行うことで、全ルールの見直しが進められる。

 

  最後に、もちろん回填が適正に行われるための統治機構は必要で、これは従来の国家政府や中央銀行、委員会などがしっかりと不正の摘発や報償などを行う。

 

  ※ただ不正の発覚は受填した側が送填した側を訴えることで始まる。例えばインストラクターが嘘を教えた場合、従来は被害者が離れて市場が淘汰されることが一般的だったが、この場合では詐欺罪で訴える。

 

※同様にメディアによる侮辱罪、名誉毀損罪、工場による偽造罪、不正価格の販売店による横領罪、不正な採用や退職引き留めによる誘拐罪など、従来犯罪は事業者へも適用できる。

 

※本文最後に「報償」を加えたのは、受填した側が送填した側に恩を訴えたい場合もあるためである。同等の送受填(支払い)以上に恩を訴えたい、例えば上記の例の中ではインストラクターのお陰でスポーツが上達した場合である。恩を訴えて、報償が増えれば世の中は明るくなっていく。