今回の直虎、まさに井伊家存亡の大変な時である。
現代の企業にもそんな時がある。例えば莫大な利益が見込める大きな取引を前に、昼夜問わず働く社員と、盆休みは盆休みでしっかりと休んでしまう社員と。後者は前者の苦労をどこまで分かっているのか?
その観点で言うと小野但馬のような家臣はもっとも貢献度が高い。汚れ役を担い、結果を出す。
一方、現代のビジネスに同様の人はいるのか?
どう目を凝らしてもいない。
今回の直虎、まさに井伊家存亡の大変な時である。
現代の企業にもそんな時がある。例えば莫大な利益が見込める大きな取引を前に、昼夜問わず働く社員と、盆休みは盆休みでしっかりと休んでしまう社員と。後者は前者の苦労をどこまで分かっているのか?
その観点で言うと小野但馬のような家臣はもっとも貢献度が高い。汚れ役を担い、結果を出す。
一方、現代のビジネスに同様の人はいるのか?
どう目を凝らしてもいない。
仕事ができる人は、比較的に他人より仕事が自分だけできているだけではない。
自分だけ仕事ができても駄目で、自分の他に仕事ができる人をたくさん作れなければならない。
しかし、発掘や育成に鉄則があるとはあまり聞かない。できる親のドラ息子、トビが鷹など、鉄則がなく偶然の作用が大きい。ならば神頼みか。神職も大聖人が出るのは少なく、凡庸なのが多い。
結論から言うと、非凡な部下の発掘と育成と定着を行い続ける。駄目な部下は淘汰される。十哲(孔門十哲や利休十哲)や四天王(徳川四天王)、三羽ガラス(モルトケの三羽ガラス)は自称ではない。
他からそう呼ばれるようになり、やがて極めて稀有なケースとして何十年、何百年経っても理想とされる。
史実で今川氏真の状況をよく考えれば、
北の武田信玄、西の徳川家康に攻められそうな深刻な状況で、東の北条にも見放されて孤立し、
井伊の領内に城や防御施設を農民を使ってつくるも、農民への報酬がなく、だから井伊直虎に徳政令を行うよう求めたと思う。
井伊にとっては借金をチャラには飲めない。
そこで直虎が板挟みになり、結局徳政令を飲んで商人の方久に屋敷ごと乗っ取られた。
そもそも氏真は武家なのに貴族趣味で蹴鞠がうまい遊興の人である。井伊領内につくる防衛施設に工夫も何も無い人海戦術による土塁や堀になる。
だから農民の不満が鬱積する。氏真に人望があれば別だがまったく無い。
以上が本当の背景と思われる。女性脚本家が描いた、本当にあったかどうか甚だ疑わしい寿桂尼による各家臣との面談も、直虎との面談も、面談結果のデスノート(死の帳面)も視聴者にとっては違和感が大きい。
そういった前回までの違和感の結果が、今回の自己ワースト視聴率10.5%なのだろう。
10.5%は各記事が言うような今回のつまらなさではなく前回までの違和感の結果である。
ともかく前回までとは違い今回は緊張感のある動きが多く面白かった。10.5%な訳はないと思われた。
蹴鞠の氏真が退場して、合戦に真剣な信玄や信長らが台頭する境目。直虎はその情勢を見極めて判断する。
現代もバブルに踊ったかつての家電大手やフジテレビなどの大企業が退場して、真面目な新興企業が台頭する。
久々に人文公式を書いてみる。
ある社員Aに、尊敬する上司が2人、PとQがいたとする。Aの仕事のやり方は基本的に、
A=(P+Q)/2
である。上司Pのやり方を使う時もあれば、上司Qのやり方を使う時もある。
しかし、その社員Aの仕事は決して完璧ではなく、たいてい新しい上司Rの補助を受けて仕事Yを完成させている。公式でいうと、
Y=A+R=(P+Q)/2+R
となる。
ただし、新しい上司Rのやり方が前任者PやQを否定する場合、
R=(-P)+(-Q)=-P-Q
Y=P/2+Q/2-P-Q= -P/2-Q/2=-(P+Q)/2=-A
なので、社員Aは新上司Rの補助を受けずにYを完成させるためには最初からPやQのやり方を行わず、自分をご破算した方が良い。
さて、この一企業の喩えをもっと広げれば、現代の政治や思想にも適用できる。社員Aを現在の政治家や国民などの主権者、前の上司Pが例えばケインズ経済学、前の上司Qが新自由主義経済学として、公共投資や規制撤廃などを行っている。
直面している現代の問題Yは、補助Rを受けてなんとかこなしているが、Rとは何か? 小池百合子の緑色など世界中で起きているカラー革命や、一時的対症療法かもしれない東京オリンピックか、あるいは・・。
もし効果的なRがあったとして、PやQと比較するとこれらと相容れないものならば、最初からPやQを容れない根本的なことをやらなければならない。
滅びつつある大国、今川家はどうしても現代と重なって見えてしまう。昔は栄光に輝いていた大企業(○○自動車、△△電器)や政党(社会党、□□党)が現代ではかつての輝きを失っている例は多い。
そんな中、小国たる井伊氏や自分たちはどうやってこの難局を乗り越えるのか? 今回は「いったん退却して後で復帰する」作戦を画策する。
実はこの手の作戦は賢いと言え、南北朝時代にはかの有名な策略家の楠木正成が後醍醐天皇を比叡山に逃して京都に足利軍を入れた後、包囲して西へ追い出してから後醍醐天皇を戻している。さすがに何回もは奏上が通じず、覚悟を決めた正成は神戸湊川に散った。現代でも左遷をいったん受け入れた後、部署が危機になって待望論が起こってから復帰する例はある。
さて、滅びつつある大国は当然悪あがきをする。今川氏真は井伊を徳政令で揺さぶり、現代の都議会自民党も小池百合子側に裏切りそうな候補を恫喝する。そして敗れた。
大河ドラマではその後、松平信玄と阿部家康に攻め立てられ今川氏が滅びる。
現代ではどうだろう? 日本も自民党も民進党も、大企業とて人選や判断を誤ればどうなるか分からない。マスコミ内部に中韓にカネを握らされた人がいないとも言えない。