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(プーチンと武道) なぜいつも裏をかくのか?

 もう40年近く昔の話だが、秋の中学スポーツ大会において、剣道は筆者の学校が体育館に他の4校を招いて実施する番だった。

 

 前日、準備のため皆で白テープを使い床にラインを引いたり、トーナメント表を壁に貼り付けたりしていると、自分の一回戦目の相手がなんと前回春の大会の優勝者であることが分かりびっくりした。

 

 明日は一回戦負け確定か?

 

 長身で小学生の頃から強く、市の大会で何度も優勝していたことで有名な猛者(もさ)だった。

 

 どうすればよい?

 

 夜もずっと考えた。剣道は本来先に2本とった方が勝ちだが、この大会の個人戦は2回戦目までは参加人数が多いため短時間で片付けようと1本勝負である・・・、ならば、

 

 “必勝の策”はこれしかない。

 

 試合当日、まず各々が防具を身に着け横に正座で並んで自分の番を待つ。名前を呼ばれて立ち上がった。左手に竹刀(しない)を持ち、真ん中の二本のラインまで進むと両手に持ち替え、互いに蹲踞(そんきょ)で向き合う。睨み合う両者。竹刀の先が微妙に触れ合う。まだ立ち上がらない。審判の声を待つ。

 

 「始めっ!!」

 

 ここで通常は両者が立ち上がるなり中段の構えをとって遠間に下がり、互いに掛け声をあげるものだが、

 

 その立ち上がる一瞬の隙を狙い、乾坤一擲(けんこんいってき)の小手打ちに賭けた。

 

 「こてーっ!」

 

 スパーン!

 

 「小手ありっ!」

 

 審判3人の旗が一斉に上がる。見事に決まった。

 

 前回優勝者は敢え無く一回戦で敗退。結局この日は決勝戦まで進み、自身初の2位となった。その後の快進撃と挫折はいずれ書くかもしれないが、この話をなぜ思い出したかというと、

 

 例のロシアのプーチン大統領(柔道が得意)がなぜ、誰もが「まさかやらないだろう」と思っていたクリミア併合やウクライナ侵攻をやるのか? その謎が不明なままだからだ。

 

 まさかやらないだろう、と誰もが思っている核のボタンすら押すかもしれない。

 

 そこで上記の思い出から推測すると、

 

 ロシアはもはや正攻法では西側に勝てない国に成り下がっていた。

 

 正攻法で勝てないなら、非正攻法でいくしかない。

 

 五輪でドーピングを使って国としての参加を認められなくなったこともそう。

 

 ヤクザ顔負けの脅しや暗殺を使って政敵を葬ることも容赦ない。

 

 そういえば前回記事の源義経も奇襲を得意としており、一ノ谷の合戦では「まさか背後から来ないだろう」と平家が油断していた崖の上から「鹿も四足(よつあし)、馬も四足」と駆け下りて撃破した。

 

 屋島の合戦でも「まさか悪天候の中で渡海なんてしないだろう」と平家が思っていた裏をかいた。

 

 つまり、裏をかかれる側は常に平家のように貴族化して油断しきり警戒を解いている。

 

 プーチン後進国ロシアの首領として、常に西側(NATO)が先進国に見えてしまうと同時に、貴族的だから「奇襲が通用する」と思い込んだ。ゼレンスキーも元コメディアンで武人ではない。

 

 そこで、まさかの裏をついてウクライナに侵攻。

 

 それが、上記のような一本勝負で終わるルールなら鮮やか?に侵攻したロシアの勝ちだが、

 

 今回はアテが外れた。

 

 “まさか”の裏をかいたはずなのに、簡単には屈さず、むしろ世界の多くの国々が敵を支援する始末。

 

 長期戦となると総合力が問われる。工業や農業、輸送等の兵站、知謀、大義名分の有無・・・、プーチンはますます窮地に追い込まれ、現在は暗殺やクーデターを恐れてモスクワにはいないという噂もある。山中の地下施設とか。

 

 そもそも奇襲の成功は一時的で、義経も兄頼朝と対立すると警戒が強くて裏をかけられず、奥州平泉で最期を迎えた。

 

 最後に、前々回記事関連。

 

 故橋本総理も剣道を得意とし、議員時代の初期の頃には毎年地元の市営体育館で開かれる剣道教室に参加していた。そこへ当時小さな小学生だった筆者が掛け声とともによく飛び込んでいったものでした、と添付の手紙に書くと、こんな展開になった。

 

対象療法を超える21世紀の“自浄”とは?|reigan #note https://note.com/newworld/n/nf3689fdab3ba