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再々東京30年周期説

  中国の企業がIR関連で日本の国会議員5人に現金を渡した記事が正月早々飛び込んだ。秋元議員だけではない。元々日本にもカジノをという議員連盟自民党だけでなく小沢一郎をはじめ野党議員の名も多かったので、本気で捜査したらいったい何十人に上ることかと思う。彼らはカジノこそが低迷する日本経済を上向かせる唯一の解決策だと思う人たちで、循環型経済を説く側からすると発想が非常に貧しいと言わざるを得ない。

 

  それはともかく2020年に疑獄事件といえば、どうしてもこのブログの1発目の記事「東京30年周期説」に再び言及することになる。いや、時々振り返っているので題名に「再々」と付け加えた。

 

  詳細は記事をクリックすれば読めるが、簡単に言うと1868年の明治維新で江戸を東京に名前を変えて以来、約30年毎に東京は大きな変化があり、それに伴い大規模な疑獄事件があるという話だ。1900年頃にはその少し前に決まった市制町村制が具体化して上下水道や公園、墓地などができ、1930年頃には関東大震災の壊滅と復興に伴い山手線や地下鉄が整備され、1960年頃は戦後復興と東京オリンピックに伴う川の埋め立てや高速道路の敷設が行われ、郊外がベッドタウン化して東京は大規模な東京圏に変わった。そして1990年頃は海の埋め立てとビルブームで、周期説発見者の松山巌氏の記事もここで終わっている。記事を載せた「コンサイス20世紀思想事典」(三省堂)が1989年刊行だからだ。ちょうどその頃も佐川事件など大疑獄事件が起きて政界を揺るがした。巨大なプロジェクトが動くと巨額なお金が動き逮捕者が出るのは当然といえば当然である。

  この1990年から30年後の2020年といえば第2回東京オリンピックの年。その開催に伴い外国人観光客を大勢招くためのプロジェクトの1つがカジノ誘致でもあり、秋元議員や前述の5人の議員をはじめ、多数の逮捕者を出しそうな勢いである。

  周期説というと、30年や15年、60年などいろいろあり、いくらそれが結果的に当たっても「だからどうした?」「今後も当たるとは限るまい」と論じる人がほとんどである。しかし、前回の記事にも書いた通り周期説に注意する人は若い頃からずっと真面目一筋な人が多く、周期説をもとに原因や対策、予測などにも考えを広げ、要するに目の前のことだけに限らず広く深く、そして高く考えることになり、決して無意味で意義のないことではない。

  東京30年周期説は今回も当たった現実を受け止め、かといってトンデモ系に傾くことなく、もっと達観したところから今後の政策を進めてゆかなければならない。