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(どうする家康) 覚醒した主君

  昨夜録画した「どうする家康」と「ラストマン」を視聴。久しぶりに大河の感想を書きたい。

 

  「ラストマン」では「41年前の事件の真相」というセリフが何度も出てきたが、私も「40年前の大河ドラマの真相」を知りたいという気持ちがあった。

 

  山岡荘八原作、滝田栄が演じた「徳川家康」である。


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  見て分かる通り非常に真面目な家康である。その真面目一徹な人がなぜ、本妻築山殿と息子信康を殺さねばならなかったのか?

 

  当時は信長の命令に逆らえなかったからという解釈で描かれていたが、実はまだ無名だった役所広司演じるこの信長も魅力溢れる好人物である。


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  とても無茶苦茶な事を言いそうにない。

 

  その後、いろいろな研究が出てきたが真相はよくわからないままだった。

 

  今年の大河、築山殿事件に3話以上の尺を取り、いよいよ来週がクライマックスである。

 

  毎回見る度に40年前の辛いシーンが蘇った。湖畔で手に掛けたのは誰か忘れたが、信康へは確か服部半蔵が手を下した。

 

  しかし、昨夜録画だけしてたまたまネットを見ると、高く評価したツィートもあった。


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  この人のものを見る目はけっこう確かなので、何がおもしろかったのか気になった。

 

  さて、あらすじは省くが今回カギとなったのは築山殿が「戦のない世」という理想を掲げた女性という点である。

 

  「戦はイヤじゃ」というお決まりの愚痴ではない。

 

  親交が深かった水野信元を殺された久松夫妻や、北条とも縁のある今川氏真夫妻まで巻き込み、東日本に経済を中心とした新しい世界をつくって信長の西日本から独立する。

 

  その構想に武田家臣の穴山信君や歩き巫女の千代も共鳴し、主君武田勝頼を加えていく。

 

  しかし、信長にバレた。

 

  若き猛将、武田勝頼が耐えられなくなったのである。これは仕方がないかもしれない。築山殿も押さえがきく相手ではない。

 

  勝頼は織田徳川を分断すべく噂をばらまいた。

 

  次回、いよいよこのシリーズのラストとなる。第2章にあたるのか。

 

  来月以降、家康はただのいくさ人ではなく、戦乱のない世という理想を実現する男となっていく。

 

  部下にも武士以外の様々な才能を集めるようになる。天海や崇伝などの僧や、経済関連での大久保長安、外国人の三浦按針など多彩な顔ぶれ。

 

  そして長寿となるべく、瀬名がやっていたように石臼で薬草をすり潰す。あの八味地黄丸は家康が開発したという話も。

 

  出来過ぎたストーリーなので史実は違うという意見もあるが、大河として本作は名作に入れて良いと思う。