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2018年「戊戌」が意味するもの

 日刊ゲンダイには毎年この時期、高橋乗宣という経済学者が十干十二支で今年の景気を占う。株式相場的には意外に馬鹿にできないらしく、今年の「戊戌(つちのえいぬ)」の戊は茂と同意で樹木が茂って日陰が増え良くない年になるという。戌は戊に一がついただけで同意だとか。ゲンダイらしくネクラな分析である。

 

 悪い年になるかどうか、そこでまずネットで他の戊戌を調べてみた。すると、良いか悪いか両極端とある。茂るから繁栄するか、滅と同じで悪くなるか。

 

 次に昨年の1月に書かれた丁酉(ひのととり)のサイトを調べ、本当に2017年がそうだったのか1年を振り返って当たり具合を比べてみた。そこでは2017年は成長し(丁)利益を得る(酉=酒)一年になるとあったが、現在つまり1年後の時点ではこの予言がハズレているようでどうにもしっくり来ない。参考までにURLを貼り付ける。

https://www.homes.co.jp/cont/press/reform/reform_00444/

 

 別の角度から視点を変えて見ると、2017年の顕著な潮流としては、電通から始まる労働時間問題が夏の大成建設で決定的になった。就労人口が少子化で激減していれば個々の労働時間が長くなるはずが、大々的に問題化することによって超過に歯止めがかかり、今度はファミレスが24時間営業をやめるなど見直すようになった。

 

 そういう動きは従来の経済学や株式相場ではもちろん分からない。しかし十干十二支に本当に馬鹿にできない何かがあるのならば、あえてこじつけてみよう。

 

 昨年の酉(とり)は酒に通じるような利益とあるが、人々にとってのそれは労働市場の逆転現象であり、まさに面接を受ける側が会社を吟味して主導権を握り、会社側は面接交通費をつけたり入社祝金をつけるなど業種を問わずカネを注ぎ込むようになった。

 

 2018年に何が茂るのかといえば、こうしてロクに働きもしない転職者たちが少しでもマシな条件の会社を求めて、どこかにあると思って、労働市場に茂っていくのではないだろうか? そして就労しても気に食わないことがあればすぐに難癖をつけて辞めてしまう。

 

 しげっても良い樹木は繁栄の意味で繁るとなるが、高橋氏の言う茂るは、元ネタは著名な易占家の安岡正篤氏らしいが、上記のような悪い草木や蔓(つる)の方である。もちろん会社側にも落ち度はある。安易に社員が社畜になり得ると甘えて無茶な指示を出したりすれば、真面目な社員とて辞めざるを得ず、ただそうした会社は次第に衰亡していく。

 

 書きながら考えたところもあるが、この分析と予測は当たっていると思う。ではどうしたら良いか? (いま話題のビットコインも今回の話に合致すると思う)(昨年からの民泊の流行を酉とすれば、外国人旅行者に含まれる不法入国者も戌と言える)

 

 安岡氏は剪定すべしと言う。確かに転職回数が多く、転職サイトを見続ける者は剪定した方がスッキリとして鬱蒼(うっそう)とはしなくなるだろう。会社はビジョンを明確に持って剪定に取り組まなければならず、国も面接交通費泥棒や就業前研修費泥棒の対策を本格的に講じ、悪質な者は処罰対象にするか、そうしないまでも悪しき事例として周知していった方がよい。