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無駄な演出を抑えた真田丸

 今日の「引鉄(ひきがね)」は夏の陣への経過の描写に徹していた。

主なポイントとして、

 

 ・佐助による暗殺失敗は、今までの作品でも描かれていた話。

 ・有楽斎が正体がバレて大坂城を去る話もほぼ本当。

 ・それに伴い大蔵卿の権力低下も事実。

 ・大野治房の兄殴打事件も実際にあった。

 ・牢人の武装化から夏の陣開始も本当。

 

 以上からこれまでの三谷式演出が前面に出て史実部分があまり出てこなかった真田丸とは明らかに違っていた。その点を批判していた本ブログもこれを評価して、夏の陣での幸村の格好いいはずの本陣突入を期待したい。

 

 秀頼の四国移住計画や真田信之の大坂へ行こうという部分、他に佐助のきりへの告白部分は視聴者ウケのいい演出に当たるが、割合的には3割以下に押さえられておりこれぐらいでいい。

 

 次回いよいよ夏の陣では、予告にある通り幸村が関東の大軍に「男はおらんのかあ」と大見栄を切ったり史実中心でも十分に魅力のある話になる。

 

 無駄な演出を控え、素材がもつ本来の味を引き出してほしい。草刈正雄が演じた真田幸村の「真田太平記」は小説家の池波正太郎がそのように調理した原作をドラマ化していた。

 

 今回の「真田丸」は演出の度合いに波があり過ぎるが、最後は史実の幸村に焦点を絞り、後味の良い締め括りとするべきである。