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堀江氏の「多動力」に通じる教育法

 堀江氏の「多動力」という本が売れているという記事があった。記事のコメントには賛否両論あり、どの書き込みも面白かったものの、ここでは次の考え方にのみ触れてみたい。曰く、

 

 「僕は80点を取れるようになるとあっさり飽きてしまうことが多い。ある程度ハマれば、大半の知識は得られる。そこから長い年月をかけて100点を取ることに執着せず、次のジャンルへ飛んだほうが、また新たな発見がある」

 

 こうして氏は多くの分野を身に着け、多くの肩書きを持つに至ったという。もし「多動力」が単に本が売れるだけでなく、実際に多くの人の生き方に影響を与えたらどうなるか? 世の各分野のインストラクターたちは生徒が増えて嬉しいことになるだろう。

 

 ただし、ホリエモンタイプの生徒たちは8割できたと思うと他のインストラクターの所へ移る。従来よりも短期間の生徒たちであり、そんな彼らに対しては10割の完成を求めなくても良いのである。

 

 もっと言ってしまえば、インストラクターが10段階に分けて教えていく場合も、各段階で10割を求めずとも、1段階目が8割できたところで2段階目へ進み、2段階目が8割できたところで3段階目へ進む。そうするうちに、1段階目のことが10割できるようになっている。

 

 いわば多動力の上記部分の応用編だが、教える立場の人の多くがこのようにはしていない。1段階目の8割から10割の間で時間を食い、2段階目に進んでもやはり時間が掛かっている。8割のできで進むことで残り2割をできるようにする手法を理解できないでいる。

 

 時間の無駄であり、やがて10段階のうちの途中で止まって終わる結果になる。