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電通のパワハラを考える

 イベントの準備という仕事はどうしても定時には帰れないものだ。

 

 定時で帰ることを優先して準備を疎かにしてしまえば、本番のイベントがうまくいくはずがない。それでも所定時間内の労働にこだわるなら、イベントそのものを社会は減らすかレベルを下げるべきである。(それは上位の決定権者に関わる)

 

 電通はハレの日ばかり携わってケの日とはほぼ無縁な立ち位置の会社である。社員の仕事量が他業種と比較して多いことは当然だが、書類送検後の現状では自宅に持ち帰って仕事をしているという記事があった。悪循環に陥っている。

 

 あと2つある。

 

 まず中間管理職のパワハラだが、部下の仕事の成否はすぐには分からず、イベント当日になって初めて明確になる。したがってイベントが開催されるまでの長期間、非常に重いプレッシャーの中で上司は部下を怒鳴り続ける。精神的に滅入る人がいるのも当然だ。

 

 こうして辞めた人の中には、電通に反感を抱いて行動する人もいた。大昔はそれができても、今はいろいろとコンプライアンスが厳しくしにくい事情もある。下手に行動して墓穴を掘ることもできない。ならばどうするか…

 

 電通のブランド戦略の中に、「ブランドとは物の中ではなく心の中にある」という話がある。これも今ではよく見掛ける常識だが、電通は早くからこれを用いて広告を打っていた。そしてクライアントのブランドイメージを高めるだけでなく、電通自身のブランド価値も高めていた。

 

 それがいま、崩れた。

 

 何度か起きた社員の自殺によって、書類送検や社長の引責辞任、新聞各紙の一面記事。

 

 その前に東京オリンピックに絡む裏金疑惑も海外から指摘を受けていた。

 

 創業者の「鬼十訓」は永遠不変ではなく時代遅れの象徴と見なされて破棄。

 

 今後どうあるべきか?

 

 イベントとはそもそも何か? という話から始めれば、一社が独占するのはおかしく海外にも例がない。

 

 面倒だから電通に任せたという面もあるが、もっといろいろな人を参加させた方が正しい意味で盛り上がる。つまり電通独占禁止法によって処置する。

 

 ネット時代、電通が仕掛けなくてもネット民で盛り上がったりしている。ネット外も盛り上がることはできよう。イベント主催者はすぐに電通に手配せず、若手のお祭り好きたちに依頼する。

 

 たまにあるハレの日だ。お祭り好きたちの時間外労働にはこの時だけ目を瞑り、開催日を楽しみに待とうではないか。