娘達が視ていたアニメ「アイカツスターズ」に、空手で地球を割るシーンがあった。
別にウケていなかったが、我々の世代ではどうしても「ドクタースランプ」の同じシーンを思い出してしまう。あれは面白かった。
瓦を重ねて割り強さを誇示するスッパマンに対し、アラレは地球を割る。読者は度肝を抜かれた。
ところで、1980年代の日本を大きく変えたもう1人はビートたけしだろう。「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」に代表されるように、毒を吐きまくった。
両者は今までの日本の伝統的なものを「笑い」とともに破壊した。破壊され尽くされた90年代の後、小泉政権の郵政民営化でさらに破壊した00年代、第一次安倍政権が発足し、「美しい国」の復活を真面目に(笑いもなく)連呼した・・・が、短命に終わった。
現在の第二次安倍政権では、当初は「美しい国」を封印して「アベノミクス」を前面に出した。それが功を奏したもののやがて上向かない経済の中でアベノミクスを言えなくなってきた。
次にオバマ大統領に便乗して「TPP」を掲げた。これも空疎で中身のないものだったことは今になれば誰しも分かるところだ。
そして今度は韓国から大使を帰国させ、トランプの懐に飛び込むことで支持率を巻き返した。安倍総理は有頂天になりかけた・・・、が、そのタイミングで、
森友問題が大騒ぎになった。だから反対派による陰謀という声もある。ヤフコメもなぜか安倍に批判的だ。陰謀を企てるのはアメリカの反日のように見える。しかし、
安倍総理や日本会議は、1980年代の鳥山明や北野武が日本の何を破壊したのかをよく考えないといけない。
伝統を滑稽なものとしたのだ。
現代に伝統の良さを訴える場合、それが非常に簡単でないことは確かで、まして彼らには笑いのセンスがない。
正しい戦術としては、逆に鳥山や北野を笑い飛ばすことだが、その役割は旧来の伝統側ではない。まったく新しい何かしかない。