毎週、見応えある大河ドラマ。
感想のやり取りはTwitterが中心なので本ブログが御無沙汰だったが、前半より後半の方が面白い。
もちろん後半も脚色が多い。
しかし、前半の義経サゲな脚色(政子膝枕や猟師瞬殺など)が多くの嫉妬深い視聴者に支持されていたのと違い、後半の脚色は一般視聴者を戸惑わせる一方、歴史マニアにはウケにウケている。
なぜ景時は署名を集められて討たれたか?
なぜ全成は悪禅師とされて討たれたか?
なぜ比企能員の乱と呼ばれて討たれたのか?
※北条側の乱だし、能員は1人で討たれた。
これらの疑問を大河では1つ1つ細かく描いて納得できる筋書きを用意し、各演者たちが渾身の力を込めて仕上げた。
この景時に勝る演者は出てくるか?
この全成に勝る演者は出てくるか?
この能員に勝る演者は出てくるか?
しばらく出て来なさそうだ。
大河を見るまで鎌倉初期のバトルロワイヤルの原因は、御家人たちの民度の低さからくるものと思い込んで特に調べずにいた。
しかし、当時の諸事情や跡取りの能力、経済事情、感情的衝突や同年代同士の友情、それらが複雑に絡み合って、鎌倉幕府の初期はこんな不安定さとなってしまった。
安定するのはもっと後、承久の乱で幕府が勝って泰時の代となり、御成敗式目がつくられ、更に時頼の代まで待つ。
現代だって草創期はそんなものだ。
いろいろな衝突がある。
短期で自滅するところもあれば、大きくなるところもある。
なぜ北条氏は生き残ったのか?
今後も和田や畠山の乱、実朝暗殺などゴタゴタは続く。4代将軍は京都の藤原氏からもらうことになる。
「それしか道はありませんでした」と言う義時。
深く考えた結果の唯一の道を政子も深く理解して承認する。
そんなやり取りに民度の低さを感じない。
現代人は、誰かの深く考えた新しい道を浅く捉えてすぐに却下し、全然やり取りが進まないし、実行まで運ぶことが滅多にない。
そこに民度の高さを感じない。
現代の方がむしろヤバいかもしれない。