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(晴天を衝け) 生き残りとしての帰郷

 今回のタイトルは「篤太夫、再会する」。

 

 前半は郷里での親族や兄貴分との再会、後半は所属先の徳川慶喜との再会。

 

 筆者も盆と正月にはほぼ毎回帰っており、同級生や従兄弟たちの状況を尋ねたりするが、あまり芳しい話は聞かない。独身のままアラフィフを迎えた人、離婚した人、引きこもっている人・・等の方が圧倒的に多い。普通に結婚して子供がいる人よりも。

 

 第3次ベビーブームはついに起きず、人口は減る一方になっている。

 

 栄一の郷里でも、親友の喜作や従兄弟の長七郎、平九郎など多くが亡くなり、ごく僅かの生き残りとして帰ったようなものだった。

 

 幕末同様、第二次世界大戦後も公式には戦没者310万人だが、栄一みたいな生き残りが帰国した。

 

 現代は戦争こそ起きてないが、30年前のバブル崩壊以来長引く不況と、間違った政策により困窮と人口減少が続き、第二次ベビーブーム以降に生まれた多くの人々が犠牲となった。

 

 兄貴分の尾崎惇忠は、村の若者たちを引っ張って出て行ったものの殆ど死なせてしまい、自分だけ生き残って帰ってきたことから「合わせる顔がねえ」と落ち込んでいた。

 

 「自分こそ合わせる顔がねえ」と変節を繰り返した栄一も応じる。しかし、パリに行って分かったことがある、もうこれからは戦争の時代じゃねえ、産業を興して経済を豊かにしてえと。

 

 新たな目標を胸に、今度は駿府徳川慶喜の元に向かう。慶喜も落ち込んでいたが、栄一の話を聞くうちに笑みを浮かべるようになった。次回以降、駿府から栄一の経済活動がスタートする。やがて、明治の日本に電気、ガス、水道などインフラや、鉄鋼、鉄道など多数の企業が誕生する。

 

 しかし、その100年以上後に、今度はその経済で人口減少が起こることになるとは栄一も予想していない。

 

 人口減少は先進国共通の出来事と開き直っている限りは今後も解決しない。自民党総裁選に名乗り出た各候補の中で、高市早苗だけは財務省プライマリーバランス重視に真っ向から対立している方向らしく、期待できる。

 

 河野太郎は親分の麻生太郎とほぼ同じ新自由主義なので全然期待できない。改革担当大臣として目安箱を設置したものの、結局何もしていないので玉手箱になってしまったとの指摘があった。父親同様の親中路線もバレつつあるので、開けてはならないパンドラの箱と言えるかもしれない。