各場面の連動

知的雑感集。全体を知りたい方は「状態の秘法」をどうぞ。

(24時間テレビ)生徒が人生をやり直せる学校

 先ほど検索したところ、「良いドラマだった」との感想は散見されたものの、24時間テレビ内のためか視てない人が多いようだった。

 

 模範的教師の代名詞はもはや金八先生ではなく、平野紫耀演じる樹山先生にしても良いと思われた。

 

 偏差値30と言われる槙尾高校。生徒の多くは貧困家庭で、その日常は勉強よりもアルバイトで家計を支えており、将来の夢なんて誰も持って無い。

 

 卒業後の進路を書く欄には空欄のままだったり、アニメや漫画のキャラクターとか真面目に書く人は1人もなく、主役の若い3年目の教師もびっくりしていたが、ここで諦めて退く訳にもいかず、教師たちで対策を話し合ったり、生徒1人1人と再度向き合おうとした。

 

 やがて教師の1人がこんなアイデアを出した。専門学校に行く時間も金もなく、かといってアルバイトで皿洗いをしているままでは一生皿洗いで終わる。アルバイトで何年か働きながら技術を身につけ、正社員になるようにしてはどうかと。

 

 さっそく学校に、町内の経営者たちを集めた。飲食店、美容院、町工場・・。彼らを相手に主人公は熱弁を振るい、最初はガラが悪く評判の悪い槙尾の生徒なんてとイヤイヤ来ていた雰囲気が、ついには樹山先生に名刺を渡す列ができるほどになった。

 

 皿洗いの男子生徒は飲食店に雇われ、茶髪でタメ口の女子生徒は美容院にアルバイトで入り、いろいろ失敗や衝突があっても、数年後には落ち着いた雰囲気で各店の戦力になっていた。洗髪される元教頭の現校長は、布の下で泣いていた。そしてラストは、主人公の教師が遠い地の自動車工場の整備士になった教え子のところを訪ねたシーンで終わった。

 

 実話を元にしたことに驚いている視聴者が多かったが、ドラゴン桜早慶、東大クイズ王など高偏差値の学校の方が実数は少ない。

 

 偏差値60以下の大多数の学校の生徒は華やかな夢もなく、中高と進むうちに次第にクサッていく。茶色く錆びた工場に入っても社風に馴染めず、工場側も中国やベトナムから労働者を集めれば済むと思っていた。

 

 しかし、昨今のコロナ禍や経済情勢の変化で海外からの低賃金労働者が入らなくなった。その前に日本で働くことの不人気がSNSで知られるようになったが。

 

 そういった背景から、中小企業側も日本人を雇わざるを得なくなったとも思えた。

 

 繁忙期のみ雇う単純労働者としてのパートや人材派遣というやり方も、品質低下からのミスや苦情が拡散されるリスクを考えれば、正社員の方が良い。そして、いずれは家庭を持って少子化の歯止めにもなる。

 

 このドラマをきっかけに何か変わるのだろうか? もちろん教師たちの熱意には脱帽だが、時代の流れとして、もはや海外労働者でもなければ人材派遣でもない、低偏差値校卒業者でもアルバイトから正社員になって家庭と家を持つ道筋が当たり前になっていくように思う。

 

 これからの若者はそれで良いとして、では適齢期をとうに過ぎた第2次ベビーブーマー世代はどうなるのか。その中には100万人以上と言われる中高年引きこもりもいる。時代の犠牲者とはいえ、まだまだ生きる年数はある。