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(晴天) 気さくな平岡とギョロ目の西郷

堤真一は上司役がよく似合う。

 

  昔の深夜ドラマ「SP」では要人警護を行う主人公、岡田準一の上司役を演じて人気を博したが、確固たる理想の上司像を自分の中にきちんと持っているからこそ、時代を超えて再び主人公の上司役のオファーが巡ってきたのだろう。

 

  そのドラマが後に映画化されて、SP部門の上司から時の政府を転覆するテロリストグループのボスに転じた時は余りにも似合わず、非常に残念に感じたものだった。たぶん本人も本意ではなかったろう。

 

  今晩の「晴天を衝け」では禁裏守護職となった一橋慶喜の家老に昇進し、元テロリストだった渋澤栄一を拾ってその上司となる。何かとSPを思い出す場面が多く、今度は主君を裏切ることなく忠実な中間管理職を全うしそうである。

 

  さて、栄一が一橋家で隠密を命じられて他藩に出入りしたことはどうも事実らしいが、そこで西郷と2人だけで鍋をつついたことはさすがにフィクションと思う。西郷の顔は「せごどん」の時の超細目よりもギョロ目で、この華丸の人選には満足している。ただ下戸だったはずで酒のお代わりを求めるシーンには違和感を覚えた。

 

  今のところ「晴天を衝け」は面白く、評判もよい。問題は次回以降だ。円四郎が非業の最期を遂げてから、栄一の上司や周囲に特に魅力的な人はまだ見当たらない。大河が後半失速しなければいいが。