今日のポイントは2つ。
渋澤栄一とドラマタイトルの「晴天を衝け」との関連が分かったことが1つ。青年時代に藍玉を売るために高い山々を登って峠を越えた時に詠んだ漢詩の中にあるという。
超働き者だった筆者の曾祖父もこんな感じで重い荷物を背負って山々を歩いたらしいが、そのせいで両肩にまで毛がフサフサと生えていたという話を祖父母から聞いたことがある。
後にたくさんの産業を興した栄一だが、決してお高くとまったホワイトカラーではなく、元は自身の足を存分に使って遠くまで歩き、額に汗を流しながら空や山などの大自然と親しんだ男だとわかる。
もし幼い時からタワマンの高層階に住んで成長したら、土や草木を手にとって足で踏んで手応えを知ることができないから非常に愚かになってしまうという。
そんな話とも関連あるのが2つめのポイント、13代将軍徳川家定である。ハリスとの謁見シーンは残念ながらなかったが、記録によるといきなり立ち上がって足踏みしたという。昔の大河「篤姫」では堺雅人によってそれは演技だという感じで描かれたが、今回の家定はガチの暗君で徹底されている。
そして国家の非常時だからこそ賢い慶喜のような人物を次期将軍にと推すマトモな声に腹を立てて反発する。挙げ句の果てラストシーンのように思い付きで井伊直弼を大老に選んでしまう。後に日本中を恐怖に陥れた安政の大獄を引き起こした張本人である。
また現代の話に戻るが、民主主義や資本主義になったとはいえ、ボンボンが得をして高い立場になり、周囲もそれを当たり前と思っている。先日は小泉進次郎環境大臣が「プラスチックの原料って石油なんですよね。意外にこれ知られてない」と言った話に話題が集まった。大丈夫か?日本は・・と。
暗君は賢臣を遠ざけ、佞臣を近づける。そして悪い事態を引き起こす。現代にも安政の大獄が起こらないとは限らない。いや、お隣りの中国では無数の監視カメラを使って信号無視すらも暴露台の大画面に氏名住所まで付けて大衆の面前に晒すという。詳しく確認もせずすぐに公開処刑する恐怖で皆いちおうおとなしくなったが、決して良い社会とは言えない。
そんな監視ばかりせずとも、個々の資質を高めて、有能な人が治め、公正な社会を実現するべきである。