今回のタイトルは「栄一 仕事はじめ」。
今までも父の手伝いで仕事自体はしていたはずだが、どういうことかと思って見ていたところ、せっかく育てた藍の葉が虫に食われる被害に遭ってしまった。
このまま何もせず、近隣の村々を回って藍葉を買い付けたりしないと生計が立てられなくなる。父がすぐに出掛けようとしたところ、栄一が自分も他の村々を回って買い付けたいと申し出る。名優・小林薫演じる父は「馬鹿もん、お前みたいなまだ若い見る目がねえもんができるか!」と叱りつけて出発した。
残った母に栄一は土下座して頼み込む。母も姉も無理だと言うが、ついに和久井映見演じる母は銭を渡して行かせることにした。
結果は父が褒めて満足するほどの買い付けができ、栄一は商売の面白さを心底実感した。
厳しいルールや取り決めがあっても、状況の変化に応じてルールを破ることこそ男の特徴の1つであり、それが失敗したり悪い結果をもたらすこともほとんどだが、たまに大成功して全体を進ませた話が歴史上のレジェンド(伝説)になる。
男女の違いでもあり、女も今回の和久井映見のように優しさからそう行動することもあるが、男の方がルール破りはもっと規模が大きなことができる。
先日、森喜朗IOC会長が失言で世間の猛批判を浴びて退陣するに至った。「今時古い男女観」と言われるが、実は森氏の子は娘ばかりの女が強い家庭で、「話が長い」は女性蔑視ではなくただ男女の違いを言ったに過ぎないという記事もあった。
批判者たちの何でも自分の価値観と合わないものを昭和だの古いだの言って圧力を加えるやり方はどうなんだろう?
それで取り決めを守り、公人たちが失言に注意しておとなしくなる間に、ユーチューブやボーカロイドの自由な若手が台頭してきた。
ルールなら何でも破れという訳ではないが、コンプライアンスというアメリカで生まれた規制のやり方(自由な国の悪い側面から出来た)が、日本で「法令遵守」と訳されて入ってきた辺りから、漢(おとこ)が減っていったように思う。そこそこ法令を守っていた国なのに過剰に過敏に100%遵守を強いられるようになったからだ。
今回の黒船の話と同様、現代の日本もコロナやら中国やら五輪など、難題は山積している。そんな状況を打開させられるのは男の中の男しかいないと思うが、現実にはなかなかいない。
最も立場上英断をくだしてブレイクスルーが出来る所にいるはずの菅総理とて、セコいルール破りや萎縮しまくった挙げ句、最近「俺は(首相の)ガラじゃない」と洩らした話が記事化されて出回ってしまった。
今だけを見ず、二階の目だけを見ず、後世とかお天道様とかの目を気にして旧い慣習を破ることこそ大事だと思うし、それこそ男の理性と行動力であり、同性が尊敬して異性が惚れる特徴ではないだろうか?
ネットを探しても出てこない名言だが(40年前に本で知った)、ニーチェがリスペクトしたショーペンハウアーという賢い哲学者は、女嫌いで知られていたためパーティーの席で女性からこんな質問を受けた。
「ねえショーペンハウアーさん、男と女ってどっちが賢いのかしら?」
もしストレートに「男の方が賢い」と答えたら女性たちが蔑視したと大騒ぎして悪評を振り撒くところだが、
「そりゃあ賢いのは女ですよ」
と返答した。
一瞬だけ喜びそうな表情になるところへ、
「だって男は女と結婚するのに、女は男と結婚するんですから」と付け加えたという。
これぐらいの機知には寛容な、高い教養に満ちた時代が望ましいと思っている。
※歌詞の中にルールが入っている歌
https://youtu.be/cA0KF6IOM7Q
https://youtu.be/cA0KF6IOM7Q