草分け中

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穏便を装いつつ欧米の顔色を伺う日本

 米ソ冷戦が終わった1990年代、世界の二極化構造に代わって次はどうなるか? 様々な意見が出る中で、田中宇(さかい)氏は「多極化する」と読んで発信し続けた。

 

  しばらくの期間、自分もそう思っていたが、2000年代から2010年代にかけて中国が急速に台頭すると、今度は多くの識者が米中二極化と言うようになった。

 

  しかし、一見そう見えても中国にはかつてのソ連のような手下の国々がない。北朝鮮やアフリカの一部に中国寄りの国はあっても西側諸国に匹敵するような力や思想はないし、技術力や経済力も低いレベルにある。

 

  それでは現状の世界をどう見るべきかというと、多極化のように最初は同等に相争う中で次第に何かが出来ていく、次第に役割や自生的な秩序っぽい序列ができていく、と思うようになった。

 

  一般人の間でも、動物の群れの中でも、雑草の間でもそれはできていく。ただ国同士の場合は人間同士のそれに近い展開が起きる。その詳細はみる人の知識や考え方によって若干異なるだろう。例えばドラえもんやコナンの少年探偵団のようにデブのイジメっ子と金持ちの家の子のすり寄り、ヒロインの女の子と中レベルの主人公という構図もあったりする。

 

  私は身体の各機能に誰かやどこかが当てはまって役割分担ができたり位置付けが絞られたりすると見ている。中国や韓国、日本の特性、欧米の特性、中東やインドの特性、それらをまとめたものがこれ↓

 


状態と機能の話 – 次段階の状態に展開させる機能とは何か⁉

 

  昨年夏からそう思うようになり、アメリカ大統領選挙の結果次第ではまた変わるかもと思いつつ、まだ見方は特に変わっていない。今後もアメリカは共和党民主党が野球の交代のように反転しあうし、ヨーロッパもテニスやサッカーのように相手の逆を突こうとするし、中東やインドも変わらない。

 

  中国は単純に反射的で、韓国は感情的で、日本は表面的には頭を使って安定を装いつつ、深い踏み込んだ議論は避けて、欧米の頭脳、特に前頭葉に任せ続ける。

 

  その原因は上記の通り国際関係の中でアジアと欧米の間に挟まれているためであり、ドラえもんに例えればジャイアンスネ夫たちと穏便に付き合いつつ、判断はジャイアンではなく出木杉に頼ったりする。

 

  そこを自覚しなければ、日本の中に賢く強いリーダーや新しい考え方はまだまだ出てこないと思う。