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(麒麟がくる) なかなか考えた演出

  通史では信長と光秀との初対面は足利義昭を越前から岐阜に連れていった時とされる。漫画「日本の歴史」でも、この場面でお濃(帰蝶)が光秀を信長にイトコだと紹介している。

 

  ただ光秀の前半生は全く謎とされるので、例えばある漫画ではヤンキー仕様の信長が同じく無頼風の光秀と尾張の街中で出会う場面があったりする。

 

  この大河では、主君利政(後の斎藤道三)に命じられて帰蝶への訪問時を信長と光秀の初対面の時とした。意外と自然である。そして鉄砲の話題で意気投合する。これも大いにあり得る。更に幼き竹千代が室内に入り、信長と光秀、家康が顔を合わせる。あり得ると言うか凄い展開である。

 

  歴史好きが視たら間違いなく興奮する。こういう描き方は他作品にもあり、例えば幡大介の「真田合戦記」では今川の人質中の竹千代と、主君信玄に命じられて信虎のもとを訪ねた若き真田昌幸とが信虎の思いつきで盤上合戦を繰り広げる場面は凄く面白かった。数十年後、本当に徳川と真田は上田城にて二度に渡り合戦することになる。

 

  実際の歴史は記録に残っていることが全てではない。記録に残っていない場面もたくさんある。それを作家は補足し、読者は支持する。

 

  信長と光秀はかなり早いうちに互いをよく知っていた。オモテに出てきたのは義昭を担いだ時だったが、スムーズにコトが進んだ裏には互いの以前からの関係があったからとも十分に思える。

 

 こういった大胆な解釈は歓迎する。