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スターウォーズ最終作に初期の頃の魅力はあるのかどうか?

  映画「スターウォーズ」ep9が公開した。あまり映画館に行かない方だが、このシリーズはレンタルビデオではなくわざわざ劇場で観ている。いや、観ていた。ep8までは。

 

 このシリーズが全部で9話あることは今から30年前に友人から聞いた。実は今までの3部作はep4,5,6なのだと。だからep1が公開された時は嬉しかったし、観て正解だった。

 

 しかし、世間の大方の評価と同様、ep2,3,7,8の4作については今ひとつ面白くなかった。何か違う。だから今回のep9も行こうかどうしようか迷っている。

 

 そもそも「スターウォーズ」とは何か? オープニングでは決まって「昔々」「遠い宇宙で」「帝国軍と共和軍の戦い」などのフレーズが出てくる。ep4,5,6が世界中で盛り上がった当時は、UFO本が売れていたことと同様、確かに遠い宇宙の果てで変な形の生き物や宇宙人がいるものと安直に信じられた。

 

 現在はどうか? 水や酸素があるらしい星は幾つか認められるものの、だからといって我々人間に似たような宇宙人はおろか、アメーバみたいな生き物さえ存在は確定されていない。それでも水や酸素があればその星に生き物がいると思っているコメントをよく見受ける。

 

 ただどんなに科学が発達しても、いまだに無生物な状況から生物を作り出す実験は成功していない。それだけ生命は神秘的なのだ。いちおう科学的な定説では大昔の地球に有機質のスープができ、そこへ雷などの電気ショックか何かで原始的な原核生物が生まれ、真核生物に進化し、多細胞生物に進化していったとされる。

 

 それでも現代人は科学実験で原核細胞の生命体すら作り出せていない。ということは何が言えるのだろうか? 生命の誕生には未知の考え方が関わっているとしか言えない。そして生物の進化は植物から動物、無脊椎動物などを経て、水中から陸上へ上がり、さらに多様化し、恐竜や古代魚をはじめ多くの種が滅び、ほ乳類の中でも人類が地球上で広がった。人類の直立した姿勢や脳の発達なども長い時間をかけてできていったものだ。

 

 それと同じ進化が遠い宇宙で進み、ルーク・スカイウォーカーハン・ソロのような存在が本当に活躍し得るのか? といえば限りなく確率はゼロに近い。では地球だけが特別で、この広い宇宙のどこも静かなままなのか? といえばこれも違い、遠い宇宙の果てでも何かがあると思う。それは・・・。

 

 初代監督のジョージ・ルーカスはこの映画を製作するにあたり、世界中の神話を参考にしたという。たくさんの物語を読んで生まれた中で、ジェダイの騎士やレイア姫、ダースベイダーなどの人気キャラが生まれた。ということで「スターウォーズ」には普遍性が確かにある。

 

 そう。西洋と東洋の間にも共通する普遍的なテーマ、家族愛や騎士道、恋愛、戦争、旅、孤独、友情、冒険、などは実体としてある訳ではなく、「波」のようなものとしてある。量子の波なのか音波や光波、念波、電波などいろいろな波があるが、目には見えないこれらの波は確かに存在し、例えば楽器を通じて実現したりする。その意味では「数」も似たようなものである。

 

 漫画で使われる記号も、実際に頭から湯気など出てなくてもそう描かれれば怒っていると思いやすいし、鼻の下を人差し指の背でぬぐえば得意な感じだと思いやすい。何故か分からないが知らず知らずそうするし、そんなものなのだ。ということでいろいろな種類の波が実在する。それは地球上に限らず大宇宙の果てにもある。結構大昔からある。遠い宇宙の果てで、肉体こそなくても波同士が何かやっている。それが「スターウォーズ」なのだ。

 

 ところで、聖書や日本神話、いやどの神話でも最初にあったとされる「混沌(カオス)」は、物質上のドロドロとしたものではなく、上記にあげた波すらもまだ確実ではない混沌だったと思う。物質はずいぶん後からできた。

 

 波の混沌の中から聖書では「光あれ!」と神が叫び、昼と夜ができたとされる。光といえばアインシュタイン光速度不変の法則を思い出すが、まずは様々な物理定数が決まり、その後から物質が出来ていったと考えるのが順当である。

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 これらの定数の値がほんの少しでも違えば、世界は今とはまったく違ったものになるという。それだけ絶妙にできている。

 

 各定数が決まり、各物質ができ、と推進していった何者かは、物質宇宙ができたところでいったん区切りがついた。そして生命の誕生になる。まるで入れ替わりや交代のような形で。

 

 以上のような考え方は「スターウォーズ」の初期の作品ep4,5,6にはだいたい合っていると思う。そしてep1もリスペクトしているからまあまあ合っている。しかし、やがて商業的成功を中心に考えるようになり、製作会社がディズニーになり、ルーカス監督が降り、だんだんと哲学的な深遠さはなくなっていった。下記は参考までに自説の抜粋である。