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無意識にアニメが政治化する

  現代心理学の創始者フロイトは、患者の話に耳を傾けて幼児期のトラウマを無意識から意識に引き上げることで治療した。弟子の1人ユングは、昔話や物語の世界も無意識に影響していると説いたが、ならばアニメの世界も同様なのではないだろうか? いわばアニメ精神分析である。

 

  中でも中高年男性が若い頃に大人気だった「機動戦士ガンダム」は、極めて大勢の人々の無意識に潜在し、集合無意識となって現代社会や政治に善かれ悪しかれ深く関係している。

 

  その1つの現れが前回述べた日韓摩擦とガンダムの関係なのだが、これを無意識から意識に引き上げて相対化しないままであれば、遠からず韓国はジオン公国と同じ末路を歩むことになると思う。

 

    今回は、ユング心理学の柱の1つ、性格分析でガンダムの主要キャラクターを考えてみたい。

 

  まず2つの傾向、内向性と外向性だが、主人公のアムロは誰もが同意する通り内向的である。ただ機械関係になるとマグネットコーティングの時にエンジニアと楽しく専門的な会話をしていた通り外向感覚型で、戦闘時はその真裏の内向直観型、このアニメでいうところのニュータイプになる。

 

  後半の重要人物、ララァも同じ内向直観型で、だからこそアムロとは同種で惹かれあった。アムロの永遠のライバル、シャアは軍の高官でもあり、ララァのパートナーでもあることから、真裏の外向感覚型。ホワイトベースの若き艦長ブライトは、次作でシャアと共闘する通り外向感覚型である。

 

  ユング心理学では女性のほとんどは感情型とするが、兄シャアとのことを隠し続けるセイラは内向感情型で、戦闘時は真裏の外向思考型となってオペレーターやパイロットととして活躍する。セイラとは表面上合わないカイは普段は外向思考型で現実的な批判や愚痴が多いが、ミハルとの悲恋の際は表には出せない内向感情型となった。

 

  ハヤトも男性らしく思考型だが、アムロへのライバル意識に僻む内向思考型で、戦後は真裏にあたる外向感情型のフラウボゥと結婚した。

 

  ここで前回同様、日韓摩擦の話に移ると、韓国自体は論理的思考(外向思考)ができない感情的な国と言われているが、文在寅はそんなに感情的にはなっておらず、かといってよく考えている訳でもないので感情か思考かという軸には当たらない。外向か内向かといえば「ぼっち飯」が好きなので内向である。そして直観か感覚かといえば、選挙戦術的には外向感覚型で勝ったものの、真裏に潜む内向直観型で、積弊精算を行い、有能な役人や保守派を一掃したのだろう。この意味では地球連邦を否定したジオンに近いし、総帥ギレンがヒトラーの尻尾と言われた通りナチスにも通じる。メインサイトの大系では哲学者ニーチェからナチスに至るところもよく分かるが、どこかで終息させなければ暴走による被害は拡大する。

 

  地球に対するスペースノイドの特殊性から実存主義同様にジオンが独立戦争を起こしたように、文在寅朝鮮民族を特別視して南北統一を掲げ、南北分断を支える韓国の財閥系企業を敵視し、さらには財閥を支援する日本を敵視した。

 

  そこからスタートして、慰安婦像を真似た徴用工像(ザク)の量産、当初は遺憾しか言わない日本への優越感などで知らず知らずガンダムに近づき、やがて「ホワイト」、「3」、「G」などのキーワードで逆転されると、これもガンダムに重なった。ソーラパネル兵器のようなボードを並べた不買運動、あまり効いてないのに効いたかのようなギレンのアジ演説「もはや形骸である」「あえて言おう、カスである」なども今の韓国と同じになった。

 

  だからこそ今後はガンダムの終盤と同様になるとやはり思う。すでに先日、左派だけが得意としたデモ戦術のはずが、まさかの保守派による大規模な文在寅弾劾デモが実現し、さながらガンダムでの最終宇宙戦争のようだった。

 

  最終回のキーワード、ジオン内部の内輪揉めや脱出などにまったく違和感はない。日本としてはガンダムとの符合をもし知ったなら、終戦協定にあたるものを用意しておいた方がよい。