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改めて円環史観

 歴史は繰り返す、という言葉があるが、これは状況や状態の変化を指している。

 

 例えば室町時代の末期は足利幕府が弱体化して、各地に戦国大名が割拠したが、江戸時代は200年を過ぎてもまだ未来永劫続くと思っていたところが、ペリーやハリスに国中が右往左往する中で「徳川幕府は弱体化した」と歴史家の頼山陽が看破したために、長州や薩摩、土佐ら雄藩がかつての戦国大名のように群雄割拠した。山陽の「日本外史」は当時の青年たちの愛読書となっており、まさに歴史を繰り返そうとする原動力となった。

 

 兵器戦術面では、室町幕府戦国大名の中から織田信長が出てきて火縄銃を活用した戦術で終わっていったが、江戸幕府も雄藩の中から高杉晋作が新式の銃を坂本龍馬から得て徳川軍を倒していった。著名な戦術家では戦国期に竹中半兵衛黒田官兵衛が、幕末期は佐久間象山大村益次郎が洋式戦術を学んで活用した。

 

 さて、明治時代以降にこの円環の話は通じるのか? 長期政権が腐敗することは昭和初期の軍部も同様で、敗戦後に自由党緒方竹虎民主党三木武吉が組んで鳩山一郎自民党初代総裁となった。この経緯や彼らの大物ぶりは先の円環に十分重なる。

 

 では現代はどうか?

 

 人気ドラマ「ドクターX」の冒頭で白い巨塔の腐敗ぶりが語られている通り、政治も大企業も弱体化していることは否めない。では代わりに何か新勢力が台頭しているのか? 新しい武器や戦術家は出てきているのか? どれも現状では今一つ見当たらない。

 

 他国の歴史だと、司令塔が弱体化して新陳代謝が起きないと外来勢力に攻められて侵略されるものである。日本もすでにそうなり掛けている。TPP推進者の竹中平蔵売国奴と言われ、社民党朝日新聞、沖縄の活動家たちは中国に媚を売る売国奴共産党旧ソ連の手先。北海道の広大な土地や軽井沢、離島などが他国に買われている話もある。安倍晋三の後の人材も特に見当たらない。

 

 まずは現実の直視から始まる。