引き続き生命誕生の謎に迫る。
図鑑では、初期の生命について、38億年前の地球の海に原始的な生物が泳ぐ絵で表現されている。
これを見ると、海の中に複数の生命体が自然発生していることになる。
しかし、生物のつくりがDNAや膜、細胞という同じ構造を持つことから、地球の各地で発生したのではなく、ある一箇所で発生して広がったと考えられる。
いや、その一箇所で1匹が発生して広がったと考えられる。
その一匹こそ全生物の始祖である。では「それ」はどのように発生したのか?
生物とて分子から出来ており、分子は原子からできている。原子はさらに素粒子からできている。始祖の生命体を構成する物質に対して、これをうまく組み合わせて生物を出来上がらせる力を「ライフパワーA」としよう。
このライフパワーAは、重力や磁力と並ぶ生命力の中の1つで、宇宙が始まった時から実はあったものの、その活躍の機会は38億年前の高温の地球の海のある一箇所で初めて得られた。その後は機会はない。
次に、細胞分裂や突然変異、淘汰などライフパワーのBやCに当たる力で生物は広がっていった。そして魚類から両生類、両生類から爬虫類、爬虫類から鳥類、一方で両生類から哺乳類へと進んだ。
ライフパワーのオメガ(ゼット)に当たるものも考えられた。
それは人間に関係する。大脳新皮質の活用による文化、文明、経済、政治。
大脳新皮質は宇宙の謎や物質の謎も解明していった。
しかし、ライフパワーの幾つかはもはや無くなってしまった。
だから絶滅がある。
人類とて分からない。