草分け中

試論や試案のサブサイト。メインは「状態の秘法」合知篇(深く)鼎道篇(広く)等

(直虎) 暗い今川義元に明るい昇太がチラつく

 「おんな城主 直虎」が好発進という記事。

 

 レビューも「良かった」が多い。何が良かったというと子役の演技だったり宇梶だったりが主だが、中には今川義元を演じる春風亭昇太が良かったという感想も多かった。

 

 この人選にまたNHKの悪い演出好きを感じる。伊集院光がラジオでグダグダ紅白を批判した時の「今までのNHKだったらここまではやらないでしょ、と言う局員が嫌い」とまったく同じだ。

 

 確かに昔のNHKだったら昇太ではない。大御所俳優にする。

 

 メガネをとった顔が麻呂っぽいのも分かる。ただ義元が出て来る度に、どんなに暗く怖そうに見せても大喜利の明るい落語家昇太がチラつく。義元を義元として味わえない。

 

 実際の今川義元は最期は信長に桶狭間で討たれたとはいえ、当時は日本最強の大名の1人でもあった。

 

 武田信玄上杉謙信と並び立つ存在であり、将軍足利家にも連なる源氏の名家で、高名な軍師の太原雪斎が支えるに足る人物でもあった。

 

 分国法を制定して後の大名に参考にされたり、経済的にも富み栄え、その上で文化や諸芸能に通じていた。

 

 現代に例えれば、井伊家が零細企業で今川家が財閥系の大企業といえる。

 

 そう考えればやはり大御所の俳優の方がよい。

 

 北大路欣也西田敏行松重豊……、なのに春風亭昇太

 

 予算がないからかもしれない。