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世界の2大対立(米英日vs露中北)

 米英日と露中北とが相容れないのは何故か?

 

 米ソ冷戦構造は1989年に終わったとされているが、今もロシアと中国は仲が良く、アメリカとイギリスは仲が良い。イギリスは元々ユーロではなく独自通貨のポンドだったが、今年EUから離脱した。日本もアメリカべったりである。

 

 かつて渡部昇一氏は、「海洋性国家群」と「内陸性国家群」に分けて説明したが、今はあまり聞かないようにどこかおかしい部分がある。まずキューバは親ロシア中国であり、渡部氏がもう1つ唱えた狩猟が得意な騎馬民族と農耕民族との対立軸も内陸と海洋にはあてはまらない。

 

 ここでタイバネティックスを活用する。

 

 タイバネティックスでは、西洋哲学史を4つの季節に分けて円環状に説明していた。それが最近、ドイツ人のグループのみ抽出できることが分かった。カントの「感性」「悟性」「理性」の3段階による見て考える上での流れの後、ヘーゲルの「正」「反」「合」の3段階による動く流れ、そしてニーチェの「能動的ニヒリズム」やハイデガーの「存在」が動く流れの後半となる。

 

 必然的に、ドイツ人のグループを抜いた残りが非ドイツ人による哲学史である。ロックやヒュームの「印象」「単純観念」「複合観念」による見て考える上での流れ。ベンサムの「功利主義」という動く流れ、そしてキルケゴールの「単独者」からサルトルの「実存」が動く流れの後半となる。

 

 両者の違いは何か?

 

 それが現代の世界の対立軸を解くカギとなる。

 

 何日か考えて、タイバネティックスが2つのサイバネティックスモデルを統合したことを思い出し結論を得た。

 

 よく我々は「フィードバックする」という表現を使うが、フィードバックして再び試みるところは誰しも同じである。しかし、一方は「インプット(入力)」から「アウトプット(出力)」までの一方向の流れの中にフィードバックの回路があり制御する。

 

 もう一方は、「目的値」が「外乱値」によって望まぬ「実現値」となったために「プログラム」を関与させて再挑戦する。不安定よりも安定を優先する。それがマルクス主義の採用にもつながった。

 

 逆に前者は安定よりも不安定を優先する。独占禁止法を重視し、市場原理を至上とする。

 

 ロシアはプーチン、中国は習近平北朝鮮金正恩キューバカストロなどが君臨するのも、安定重視のサイバネティックスモデルだからである。

 

 他方アメリカやイギリスは長い統治を信用せず嫌う。フィードバックはあれど露中のような使用はしない。

 

 両者はこのまま相容れないのか?

 

 タイバネティックスでは、不安定と安定との詳細な変化を描いているのだが…。