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経済大国を目指さなくなった日本

 大蔵省を財務省に名前を変えた人は故・橋本総理だった。

 

 21世紀は省庁再編で始まったが、その再編議論をしていた後半に橋本氏の「省名は財務省がいいのではないか」の一声で決まった。今では誰も触れない話ではある。

 

 大蔵省に抵抗はなかったか? 国の予算を一手に握る影の黒幕として昔はどの政治家よりも大きなコワモテ的存在だったが、政権交代になったり、ノーパンしゃぶしゃぶ接待が報道されたり、次官のS藤次郎氏が叩かれたりと散々な目にあった上、省庁再編の目玉が首相官邸による支配だったためおとなしくしていたと思われる。

 

 そもそも、財政的な面で目立っても良いことはない時代に変わっていた。

 

 確かに戦後は、戦争には負けたが経済では負けないぞとばかり戦艦の技術を使ってタンカーをつくり、満州の弾丸列車の技術で新幹線をつくったり、アメリカが最も恐れた兵隊のマンパワーで急速に世界第二位の経済力へと高度成長した。

 

 しかし、お金があるとたくさんの国がタカッてくる。会合のたびにODAの話になる。国連にも巨額の貢献。アメリカからはカネだけでなく戦争地域へヒトもと言われる。ロクなことはないと分かってくる。

 

 そこで、高齢化社会を理由に日本を借金大国とアピールしよう、という方向になる。財務省は今度はメディアをがっちり押さえた。日本のために協力しろと。そして長い閉塞時代が続いている。本当は日本は資産的に全然問題ないという論者もいる。

 

 前節で触れたが、最近財務省は人手不足を大きく扱った。前々から誰もが分かっていることだが、このタイミングで触れたことには何か狙いがあるのだろう。

 

 経済大国でも戦争方面でもない新しいウリとして、ドイツのような時短大国という道も選択肢になったのだろうか?