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ネット上の大津波警報

 ここ10年間続いてきた世論を誘導する2つの公式が、最近通用しなくなっているのではないかと思われる。2つの公式とは、

 

・「くりかえし広報アナウンスすれば人々の心の中が徐々に変わっていく」

 

・「ブランドとは物ではなく見る人の心の中にある」(ブランドイメージ)

 

 上側の公式は電車の人身事故の対応の時に顕著だ。昔人身事故が滅多に起こらなかった時代は、電車は3時間以上止まって車内アナウンスもなく、人々は各駅の駅長室に殺到していた。1997年頃までの光景だ。しかし今では繰り返し広報して乗客の心の中の不満は小さくしぼんでいく。

 同様に、報道番組でのニュースの順番や時間配分、小泉純一郎郵政民営化を絶叫して国民を洗脳していく様子も顕著だった。TPPアベノミクスなどもワンフレーズポリティクスといえる。

 

 下側の公式は広告代理店の業界では昔から常識で、例えば車の「シティ」は今や物としては存在していないものの、人々の心の中には赤色のマル型ライトの軽四というブランドが確固としてできている。エルメスケリーバッグとて原価以上の価値が心の中にできているからこそあんなに高額なのである。

 

 両方の公式を使いこなすことで、為政者や大手広告代理店、マスメディアは人々の心をコントロールすることができる。そして購買活動や投票行動にも影響を与えられ、自身を社会的にも経済的にも安定させることができる。それが20世紀末から最近まで続いていた。

 

 しかし、どうも事情が変わってきているように見える。例えば今日のSMAPの解散騒動。誰も思うようにコントロールできてないため迷走に迷走を重ねている。高校野球に女子をマウンドに上げられないというルールも、昔だったら新聞テレビで専門家数人が言うことにより簡単に収まっていたはずだ。舛添知事や鳥越候補も同様に昔の常識が通用せず新しい波に完敗した。

 

 ネット上のツイッターやコメントの大津波が発生すると、どうしようもなくなってしまう。

 

 現状、有効な方法が見つからないため、この大津波が与党政権に向かわないよう興味対象を別に設けてターゲットをそらすぐらいしかないように見える。