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渡り歩く真田幸村と小池百合子の強さ

 先日の「真田丸」を見て気付いたこと。

 

・「義を貫くとはかくも苦しいことか」(by源次郎)

 義といえば上杉謙信。上杉家に人質として過ごすうちに義を学んだのだろう。真田は元々武田家の家臣だが、源次郎は信玄譲りの武略だけではないのだ。

 

老人性痴呆症の秀吉を介護する源次郎

 兄信幸は嫡男として真田家を守るため、豊臣を見限り徳川を支える選択に傾いた。一方、弟は秀吉の馬回り衆として長くいるうちに秀吉に情が否応なく移っていく、介護の様子からそんな印象だった。

 

・渡り歩く人の強さ

 真田幸村を一躍有名にした真田丸・・・大坂冬の陣ではそれは武田由来の(丸馬出し式の)出城と言われた。さらに夏の陣では、上杉謙信の信玄本陣突撃を彷彿とさせる家康本陣に迫る野戦。真田幸村は渡り歩くうちに身に着けた武田、上杉、豊臣といった多様性が大坂の陣で結実し、全国に強烈な印象を残した。一方、現代の渡り歩く人といえば小池百合子新都知事だ。

 

 たった4人の日本新党でスタートして自民党長期政権を破り細川総理を実現し、次は破壊が得意な小沢一郎、そして劇場型政治小泉純一郎と渡り歩き、今また安倍政権の要職にいる。

 

 今回の都知事選挙では、まず自民党推薦を得られず出発した細川的なスタート、次に元岩手県知事の増田候補や左翼的発言が目立つ鳥越候補など「旧」を敵に回す小沢的破壊力、そしてワンフレーズならぬグリーンで人々を煽り立てる小泉的な扇動力など、喧嘩慣れしているとも言われるほどの多様性ある強さを発揮した。

 

 その成否はこれからの4年間で結果が出る。選挙に勝つだけではまだ半ば。

 

 渡り歩きは日本人には今ひとつウケが悪いが、転勤や旅行でも多様性は得られる。その総合力で新しい波を起こして旧を退ける動きは今後もあるだろう。