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蔦監督とジダン 新哲学が旧たちを倒した実例

 夏の高校野球シーズン

 

 テレビやラジオ、新聞も高校野球の記事が増えたが、むかし日本中が高校野球で盛り上がっていた時代を知っているだけに今が物足りなく思う向きは多い。

 

 かつて四国徳島の片田舎にあった池田高校という学校が国内を席巻していたことがあった。野球部は小太りで白髪頭の蔦監督が率いていた。この監督の考え方が当時非常に革命的だった。ランナーが出ればバント、という常識に対し、バントなんて一切なし。「やまびこ打線」と呼ばれる単打の連続で、従来の強豪高校をバッタバッタと倒していった。

 

 アニメ「巨人の星」にも出ていた野球にはうさぎ跳びという常識に対しても、当時は斬新だった筋力トレーニングという方法をいち早く取り入れ、やまびこ打線を生み出した。そして夏春連覇という結果をたたき出し、3連覇という期待もかかったものの、最後は桑田清原の1年生コンビを要するPLに敗れるという出来過ぎたストーリーだった。

 

池田高校はなぜそんなにインパクトがあるのですか? - 自分は徳島... - Yahoo!知恵袋

 

 蔦監督は新しい哲学を打ち出して野球界の常識を変えた。

 

 同様に、新しい哲学を打ち出した例をスポーツ界に探すと、フランス・ワールドカップで優勝した、ジダン率いるフランス代表チームだろう。ブラジルやドイツ、イギリス等のどの強豪国とも違うフランスらしい優雅な見せるサッカーで勝っていった。

 

 池田高校もフランスチームも、当時の多くの人がチーム全員の名前を憶えていたことも共通している。畠山、水野、江上、山口・・・、ジダンデシャン、アンリ、バルテズ・・・。

 

 しかし今は両方ともその勢いはない。当時なにか神々が乗り移っていたのだろうか。その神々は次はサッカーのなでしこジャパンに乗り移ってワールドカップで優勝させ、やがて熱狂が冷めた今はまたどこかに行ったのかもしれない。

 

 スポーツがなかった時代には合戦での十勇士や七本槍、他に戦い以外にも利休十哲や十二人の弟子など。その神々は今も、人々を熱狂させる何かをどこかで起こしている。そして未来にも・・・。