草分け中

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植物の成長からたとえる世界中で発症するテロ

 ニースのテロを書こうとしたらトルコでクーデター騒ぎが起きる等、時事ネタは書きにくい日々だ。

 ここで日常の喧騒から離れて哲学の高みに上がると、ヘーゲルの「精神現象学」の1節を思い出した。彼は一般に「正ー反ー合」で知られるものの、一方で著書の中にははっきりと、「植物が種から芽、茎や葉がのびて蕾ができ、花から実へと成長する」姿を重視している。つまり、人間精神の成長は、植物の成長と同様なのである。

 ヘーゲルは理性の実現という意味で歴史を捉えたが、後のフォイエルバッハを経てマルクスになると、唯物史観という変な歴史に歪曲されて、金持ちへの妬みからその完成形が共産主義になってしまった。もちろんヘーゲルは想定していない。

 人間社会が、地球や時代の変化に対応して適切に変わっていく場合、植物がDNAを中心に守るべきところは守る一方、突然変異で進化したように、政治にもそういう場を設けなければならない。

 独裁国家では独裁者が状況判断して国の突然変異を命じる。

 議会制民主主義国家では、そこまで素早くなく、政党や議員が政策を主張して当選し、議会で訴え、多数決で勝つと遺伝子が変わる。

 イギリスも変異してEUから離脱した。その新しい植物が適応して生き残るかは未知数だ。

 日本も天皇の生前退位騒ぎで変異を起こそうとしている。

 このような見方で見直すと、世界各地で起きている無差別殺人テロは、社会の病気と言え、拡大すると社会全体の死に至る。耐性をもつ形態に進化することができるか。

 他にも少子化保育所の問題も病気である。治療法として手っ取り早く結婚や子沢山の家庭に膨大な優遇政策をとって若者をその気にさせる手もあれば、フランスのように事実婚を認め家だけでなく社会で子供を育てる方向もあるが、何もしなければ病気は進行する。

 今もどこかでテロリストたちは密かにテロ計画を立てて武器を運び連絡を取り合っているのだろう。それを病原菌に例えると、都市部やイベント時などは菌のかっこうの餌であり、発症する。ヘタをすると枯れてしまう。

 望ましいのは良い花や実が増えていくことである。