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4月から更に変わる世界情勢

  市販の未来予測本はどうしてもモトを取らないといけないので、例えば米朝戦争をきっかけとした第3次世界大戦が起きるかもと、現在の延長線を延ばした未来を描きがちだが、実際の世界はむしろ段階的変化に近く、これらの予測から大きく離れていたりする。

 

  それでも後になって振り返ると過去のあの時の事件や事故が種になって誰も気付いてなかった当時の状況とその種の作用から現在に至った経緯がよく分かるものだ。そういう視点に立った上で改めて4月以降を考えてみたい。

 

  まず昨年の12月までは相変わらず日本海に何発もミサイルを飛ばしてアメリカを挑発し世界の危機を演出していた北朝鮮だが、トランプの中東でのドローンによる狙撃成功に怯えて沈黙し、次は新型コロナウイルスの蔓延に医療環境の遅れから全く打つ手がないことと、自身の肥満からくる体調不良についにフランスから医師団を呼んだり後継者に妹を指名するなどますます衰えが目立ってきた。来月には感染の拡大と経済危機から更に傾き、4月頃には何か大きな転換を引き起こしそうな気がする。

 

  4月といえば総選挙があるその南の韓国だが、これも看板だった南北統一(による核保有)が全く進まないどころか米大使侮辱で西側を呆れさせ、中国頼みだった経済も大きく傾き、対日政策も同じセリフを繰り返すだけで日本からもほとんど無視されており、今や与党側が勝つ見込みはほぼなく、青瓦台の中では、まるで沈没を予測した鼠が船からいなくなるように逃亡が増えているという。そこへ北朝鮮の事案が絡めば大統領の退陣も早まると見ている。

 

  そして中国についてはウイルス対策に加えてイナゴの大群による大規模な食糧危機が予測されており、もう今までのようなイケイケ路線は通じない。先日紹介した五輪を開催した途上国が10年後に危機を迎える法則に基づけば、今後は長い低成長になると見ている。

 

  こうした東アジア情勢とは別にヨーロッパの方がマシと思うのは、賛否はあれどグレタのような破壊性の持ち主をダボス会議のような国際的な舞台に招くセンスに富むからである。アメリカもトランプは壊し屋に近く、既存の在り方からは自由に動いている。

 

  欧米がアカデミー賞でパラサイトを選んだのも、そこに新自由主義への皮肉が描かれているからであり、もはやこの主義のメソッドははっきりとノーを突き付けられてきた。

 

  そんな中で日本はどうか? 安倍政権は次なるフロンティアとしてカジノ誘致に賭けようとしているが、発想的に非常に貧困で限界を感じる。全国の窮乏から目を背けて田楽や闘犬を楽しんだ北条高時と同じと後世から評されるとどこかに書き込んだら削除されたが図星だったのだろう。

 

  中国の衰退で雇用が戻ると考えている欧米と同様、改めて産業の在り方を見直さなければならない。更に中国頼みだった観光事業の脆弱さにも直面したため、もっと別の発想で内需拡大と地方振興を見出すべきである。