草分け中

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側近や幹部はボスの知識である

  国語の授業で日本語の五段活用を習った時になぜ「未然連用終止(連体)仮定命令」しかないのか? なぜ母音字「あいうえお」の5文字がそっくり使えるのか?疑問だった。今は特に疑問とは思っていない。「五段活用は制御回路の仕組みに合致する」と分かったからだ。

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  上の図で左側はコンピューターの創始者、ノーバート・ウィーナーが考案したサイバネティックスの「制御回路」。エアコンや調速機が温度や速度を一定に保つ様子や、人間が弓矢で的の真ん中を射ようとフィードバックして調整する様子に当たる。しかし人間は機械とは違う。矢が外れたら悔しがったり、中央に命中すれば嬉しがったりする意識がある。その様子を忠実に映すなら右側の図の通り5つの要素になる。これが母音字5文字と合致するのだ。
  まず自我と対象との間に特徴をつくり、フィードバックして意識を生じ、観念が関与して再び見たり行なったりする。
  「見る」や「聞く」、「持つ」、「歩く」などの終止形は目や耳、手、足などの各器官に当たる。「見て、聞いて、持って、歩いて」と用言をつなげる連用形には意識が当たる。そして「見ない」「持たない」ということは図の通り終止形がない(U0)イコール未然形(A1)であり、主体たる自我である。さらに「~れば・・なる」という仮定形は大脳新皮質たる観念に当たる。命令形と対象については後述する。

 

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 いよいよ本題だが、段階ごとに対応するモデルについて見ていく。まずは赤い円のところ。

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    上の図の右側のモデルは意識がインプットで対象がアウトプット。「よぉ~く見てください」と命じたりする。逆に左側は対象がインプットで意識がアウトプットになる。間にフィードバックを挟む。このような形のモデルはアメリ政治学会第4代会長イーストンが議会政治を表すものとして(法案がアウトプット)考案している。次は青い円の方。

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  左側の図は仮定形+終止形で、「~れば・・・る」。例えば、こんな形の文字、記号、音、声などを目や耳などの器官で受ければ、こういう意味とする。また、こんな形の棒を持てば、このように振る、など。

 一方、右側の図は仮定形+命令形で、「~れば、・・・しろ」。例えば、こんな形の文字、記号、音、声などを目や耳などの器官で受ければ、こういう意味とせよ、と命令する。また、こんな形の棒、バットやラケットなどを持てば、こう振れ、などと両者は対応する。

 

 最後に、認知パターンや行動パターンは各自で違うものであり、それこそ左側の図は自己そのもの。自己と自我とは違い、自我は中心的であるのに対して、自己の方は自己紹介で出身地や現在の住まい、家族構成、趣味、特技など包括的であり、確かに上図の左側のモデルに相当する。自己紹介でその人の認知パターンや行動パターンが限定されていく。

 他方、認知パターンや行動パターンを限定させる右側の図とは知識と言える。本人の知識がどんなものかで、その文字の意味やその棒の振り方も変わるからである。

 つまり、自己と知識とは対応関係にある。これは組織の頂点にいる会長や社長などのボスと、対応する側近や幹部との関係でもある。いかにワンマンといえどボス1人では何でも出来る訳ではない。側近や幹部に質問したり提案させたりして状況を制御しようとする。だからこそ、ボスという自己に対応する側近や幹部はボスの知識とも言える。

 両者どちらも優秀だと判断も正確になるが、どちらかが劣っていれば判断を誤るし、ブラック度が高い場合はどちらも優秀ではないと言える。