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旧弊打破の功罪

  今年の大河ドラマ「いだてん」には様々な“反対派”が登場する。初期にはスポーツの普及そのものに反対する人、次にオリンピック参加に反対する人、そして女子スポーツの普及に反対する人、さらに日本でオリンピックを開催することに反対する人。彼ら反対派にも言い分はあり、日本人にはまだ早い、体格が違いすぎる、女子には子を産み育てる役割がある、等。しかし結局は反対派は敗れ、嘉納治五郎田畑政治が勝っていくという筋書きである。

 

  ここまではメインサイトに今日書いた話で、続きはここに書く。

 

  新しい取り組みに反対する人々は旧来の伝統に基づいた思考で出る杭を潰そうとする。実際、潰された杭は数多い。「いだてん」の場合、欧米の先行例を追う形なので潰されにくく、また試合での勝利や熱狂の後押し、嘉納治五郎そのものがレジェンドだったりと条件が良い。

 

  一方、現代日本はという話に移る前に話題の韓国を書く。あちらも旧弊打破を題目に財閥副会長を逮捕したり保守派を粛正したり、親日派を一掃したりといろいろ聞くが、代替するものがしっかりしていない。財閥に代わる何か、左遷した役人に代わる誰か、親日に代わる親北としても具体的な政治ビジョンがない。

 

  韓国は感情的とよく聞くが、むしろ大脳新皮質による「もし~れば、~する」をフル活用しないので、GーSOMIAを破棄したり不買運動で自分の首を絞めたりする。将棋で言えば目の前の歩を取り合うだけのヘボ将棋になる。これらは以前の日本の野党政権も同じだ。韓国イコールヘボ将棋が真実なら、その結果は王将の孤立と詰みである。

 

  諸問題が解決しない原因を旧弊に求めること自体は間違っていないが、旧弊に代わる仕組みや人材について、大脳新皮質をフル活用して取り組むことを前提に、旧弊を改めていく。逆に言えば代替するものがなければ安直に旧弊を破壊してはならない。