大河では徐々に井伊直政が台頭している。昨夜は家康の直政への本心を直虎が聞いて喜んでいた。
そもそもこの大河は井伊直虎が主人公で、戦国時代に生きた女城主を女性脚本家が描き、女性視聴者へのウケを狙っているものだった。
しかし、徳川四天王とはいえただの戦馬鹿としか見なされていなかった井伊直政に二次産物としてこのたび珍しくスポットライトが当てられた。
実は直政は武力一辺倒ではなく、交渉能力も高く面倒見も良く見習うべきところの多い将である。ある意味、現代人とは真逆の素質が豊富だ。時代と女性などの当初の狙いではなく副次的にたまたま出てきたこの直政が大河の舞台に登場することに、社会への化学作用が起こるのではと興味がわく。
もちろん多少のアレンジはあるだろう。本来の直政とは違うところもあるかもしれないが、三河者以外の所から徳川家中枢に入っていった事実は否めない。それは武田信玄が他国から山本勘助を、織田信長が美濃から明智光秀を、豊臣秀吉が近江から石田三成を入れたことと同様の話で、活気がない地方都市やタコツボ化した専門諸学も見習うべきことである。
知らず知らず地方が他国の血を受け入れたり、新しい候補者に投票したり、途中参戦者の増加に寄与すれば徳川家と同様に良くなっていくだろう。