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(直虎)信玄の死だけで状況が変わり過ぎるのはなぜか?

 信玄の死には鉄砲による暗殺、病気など諸説あるが、今回脚本家は寿桂尼をあえて再登場させて敗者の霊による復讐を際立たせていた。

 

 実際は違うと思うが、信玄が死んだ途端、あの強かった武田軍が総崩れしてしまったことは事実で、これにより井伊直虎の運命も確かに変わった。それだけ信玄個人の存在は大きい。

 

 そんな組織が良くないことを明らかにするには、真逆の組織をまず書きたい。

 

 現在、世界最強のアメリカ陸軍の戦闘チームの場合、個々の戦車に最新デジタル機器で指示命令を下す前に、その指示命令をできるだけ正確にするため、旅団長と幕僚の間で具体的に検討精査して最良のものに絞るという。

 

 一方、精査しない指示命令を下す組織とは、北朝鮮がまさにそうだが1人のトップの思いつきを反論もなく聞き従う。それによって重臣を銃殺刑に処する。信玄も義信を処刑した。

 

 いちおう武田24将というものが有名だが、それは弟の典厩信繁が健在だった時は信玄との作戦精査ができていて屈強な軍団だったが、典厩の死後はただのトップダウン式となり、信玄の死によって瓦解した。

 

 現代の場合も、旅団長のようなトップは幕僚との作戦精査を詰めた上で最終案を決定すべきである。具体的に最良で簡潔明瞭な各指示命令を下してこそ、強くなる。

 

 精査のない非現実的な指示命令を行えば、旧来のルールとの軋轢が生まれ現場が混乱する。