まず、「スーパーサラリーマン左江内氏」最終回のアレンジについて。
原作の「中年スーパーマン左江内氏」の最終回ではなんとパーマン4号(パーやん)が出て最後に主人公はサラリーマンをやめて2人で配達屋を始めるところで終わる。
なぜ原作通りにしなかったか?
当時はまだ、起業することに夢があった。それが夢でなくなったのは、規制緩和をしても経済が上向かず、中小起業のための新銀行東京(石原銀行)をつくっても失敗し、の繰り返しから、今では正社員が贅沢と見なされるようになったからだ。
こうして最後、主人公の左江内氏は企業に戻り係長職と家庭の責任を負うことを継続していく。パーやんによく似たキャプテンマンも組織の1人だった。
一方、「おんな城主 直虎」もどうも史実と違う気がしてならない。史実では直親が死んで幼い虎松しかなく井伊家が危機に陥る中、次郎法師が還俗し、対外的に直虎となる。周りの国々は直虎が普通の男性と思い、だから時代が下ってもあまり知られないままだった。
ところがこのドラマでは、いやドラマだからか、「我は井伊直虎である!」とオカッパ頭の女性が大々的に宣言する。ネットニュースでは「直虎爆誕」とあった。
小野をはじめ、小野が連れてきた3領主ももちろん知る。そうなるとさらに、広い範囲で直虎は女性だと知るだろう。
いや、実際はもっと、やむをえない事情でこっそりと直虎になったのではないか、とやはり思う。そして男の格好をしてちょんまげと付け髭をして「ワシが井伊直虎じゃ」と出て来る。・・・が、現代人にウケるためなのか、
まるで女性市長が誕生したかのように映した。