異説ショー

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「ハード&ルーズ」という野良猫を描く作者は野良猫ではない

「漫画読破! EX」に「ハード&ルーズ」が4巻まで入っており、久々に読んだ(全て無料)。  

 

 1986年3月の「FMステーション」巻末のインタビューで、織田哲郎が愛読書に挙げていた2巻の表紙の絵を見て興味を持ったのが最初の出会いだ。

 

 

  読むと非常に面白かったので1巻も買い、その後数年間、最後の7巻まで買った。高校時代を通じて大変な悪友を持ったものだと今では思う。

 

 主人公・土岐正造は神田のビルの1室の事務所で寝泊まりする35歳独身の私立探偵。この年上の男に社会の裏側や下側を学び、自分も東京に出た。

 

 現在、土岐正造より10歳も年上になった。今の自分はどんなふうに土岐を見るのか? 改めてスマホで読んでみた。

 

 その前に、20代の半ばに一度「ハード&ルーズ」の呪縛から抜け出たことがあった。その時はこうまとめた。「この漫画は、飼い猫よりも野良猫をすすめている」と。

 

 野良猫・・・土岐正造35歳、決して飼い猫にはならない元捨て猫。

 

 飼い主に不満を持つ飼い猫はこの野良猫に影響を受けた。そして、「泳げ! たいやき君」のように脱走した。

 

 

  しかし、たいやき君が最後は釣り人に食べられたように、野良猫の多くも空しく終わる。飼い猫が飼い主に何らかの爪痕を残すのと違う。

 

 いま私は、この年下の神田の探偵と久々にバッタリ出会った。おそらく山中で見覚えのある野良猫に会った感じなのだ。すると、こちらの思いとは関係なく野良猫は再び山中に消えていった。

 

 今でも飼い猫の悪口を言っているのだろう。

 

 どちらが幸せかは猫それぞれだが。

 

 捨て猫を拾って可愛がってくれる飼い主にもし出会えたらそれも良いではないか。

 

 この作者もそんな出版社と読者に生かされ、定期的に描いてきた、実は飼い猫のうちの1匹なのである。