草分け中

試論や試案のサブサイト。メインは「状態の秘法」合知篇(深く)鼎道篇(広く)等

今日の真田丸「歳月」に欠けているもの

 今回の「真田丸」は、赤い甲冑を着けた幸村を最後に視れたことが良かった。

 

 大坂の陣では大軍を翻弄した砦戦や家康本陣への突入で名を馳せた幸村も、まだ今日の段階では妻・春の顔色をうかがう農夫に過ぎない。

 

 その間、兄信之をはじめ多くの大名は領国の治世にいそしみ徐々に平時の武士と化していく。

 

 一方、幸村は戦国武将の感覚を温存したまま九度山に居続ける。それが大坂の陣で活きた。腰抜けの敵軍に対し戦時の研ぎ澄ました感覚を失わなかった点で良かったのかもしれない。

 

 ドラマでは田畑を耕す姿しか映さないが、それは表向きの姿であり、絶対に戦書を読んだり忍者を使った情報収集は行っていたはずだ。

 

 こうした「影の努力」を描かなければ、大坂の陣での大活躍(島津から「真田日本一のつわもの」と評されたほどの)が結びつかないと思う。