草分け中

試論や試案のサブサイト。メインは「状態の秘法」合知篇(深く)鼎道篇(広く)等

早押しクイズの疑惑

 前節の続きで高校の話。

 

 昨夜のアメリカ横断ウルトラクイズで、三重のさわやかカップルと呼ばれた2人がロッキー山脈鉄道での早押しクイズで脱落した。女性は悔しそうに「回答はわかっていたが早押しで負けた」とコメント。桝アナは「それがウルトラクイズです」と返した。

 

 すぐに思ったのは、彼らのボタンだけ断線していたのでは?という不正な仕掛け。

 

 他のチームが男性2人組(ラ・サールや灘、慶応)や女性2人組(慶応女子)で同部屋、あるいは女性の先輩と男性の後輩(早稲田?)という組み合わせで別部屋なのに対し、このチームはどうしていたのか、そしてダッシュ式クイズで泥プールではなく正解の方のマット(ベッドを連想させる)に無事乗ったところで芸人から「ハグしないの?」と聞かれ「全国ネットでは」と女性が答え、もしこのまま勝ち続けて目立つとしたら、目を逆立てる視聴者もいるのではと思われた。

 

 抗議電話を押さえる上でも途中での脱落を局側は検討した・・・

 

 しかし申し訳ないのかロサンゼルスで3チームによる敗者復活戦を行い、撮影用戦車の登場で沸かす。勝敗を決したクイズは「中国の明が建国したとき日本は何時代?」という3択。慶応女子は室町、慶応は鎌倉、三重のカップルは戦国と書いた。

 

 第3代室町幕府将軍の足利義満が行った金閣寺日明貿易の2つは歴史科目の基礎中の基礎。となれば鎌倉か室町で悩むはずだが、番組では①②③と演出上面白くなるように分かれ、最後は正答の戦車が壁を破った。戦国というまったくらしくない回答した三重カップルの女子は「よい思い出ができた」と言って(男子のコメントはいつもない)帰国した。どうも因果を含められてわざと誤答を書いたとしか思えない。そして女子2人組の慶応女子がフロリダへ飛んだ。男だらけの戦いになるよりも見映えがするのは確かだ。

 

 スタジオ側の解説者の中央にダイゴがいるのも穿った見方をしてしまう。特に疑惑を持たずクイズや進行を素直に楽しむ姿勢を誘導するための人選だ。

 

 甲子園野球もそうだが、高校生には今なお固定したイメージを社会に押し付けようとしている。最終勝者は理想的な爽やかさを持っていなければならない。

 

 脱線した戸惑わせる存在、大分の代表で甲子園のマウンドに上がった長髪の女子マネージャーや、この三重のような成績は良いがS的でM的な彼氏を尻に敷く女子、他にも大人顔負けの技術者や能弁家、思想家には焦点は当たらない。

 

 ラ・サールや灘や早慶というお馴染みの高校が出て将来の官僚や大企業の兵卒になりそうな高校生が勝敗に泣いたり笑ったりする姿に感動ではなく安心する訳である。

 

 このカタチへのコダワリこそが日本を壊死させる原因であり、新しい変化に柔軟に対応できず、地方経済の悪化や国際競争力の低下、政治家の不在、少子化、等々を招いている。