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妬む感情と原理主義者

 グーグルアースを使って、今回襲撃が起きたダッカのレストランや、パリのバタクラン劇場などを見た。いずれも都市の中心部から少し離れたところにある、警備の手薄な場所とは言える。

 ダッカの場合、周辺をなぞっていくとやはり貧民街のような感じのものがある。レストランの中との差は大きい。実行犯は留学した学生で比較的裕福とはいえ、悪意ではなく間違った正義感で組織し、下見をし、そして実行した。

 18世紀イギリスの哲学者ヒュームは、政治を理性的に進めなければならないとしつつも、嫉妬の感情が入り込むことを重要視した。19世紀ドイツの哲学者ニーチェは羨望の感情をルサンチマンという言葉で表現し、宗教の背景にあるとした。

 現在も世界各地でバタクランやダッカに似たような状況は多いものの、具体的な対策はどうとられているのか?  一方的に妬んで隙を狙う相手だ。幸せのアピールが不幸せを惹起するから、せめておとなしくしようとしても非常に難しい。

 嫉妬や羨望は誰しもある。ところが原理主義者はその感情がテロ計画に変わる。プライベートを犠牲にして原理の徹底に身を捧げ、妬みとの葛藤から原理にそぐわない一般人へのテロの肯定となる。